「なぜ空は青いの?」
「なぜ雨は降るの?」
子どもの頃、誰もが無数の「なぜ?」を持っていました。
そんな純粋な疑問が、実は学びの中で最も重要な原動力なのです。
プログラミングの世界でも、この「なぜ?」という問いかけが新たな知識への扉を開き、深い理解へと導いてくれます。
小学生の頃からプログラミングを始め、ITエンジニアとして17年間のキャリアを積んできた私の経験から言えることは、技術的なスキルよりも「なぜそうなるのか」を問い続ける姿勢が、真の成長をもたらすということです。
コードを書く際も、ただ動くプログラムを作るだけでなく、
「なぜこの方法が適しているのか」
「なぜこの構造になっているのか」
と問いかけることで、より堅牢で効率的なシステムを構築することができます。
しかし、私自身もキャリアの途中で大きな挫折を経験し、うつ状態に陥った時期がありました。
その暗闇の中で見失っていたのは、かつて持っていた「なぜ?」という素朴な疑問と、それを解き明かす喜びだったのかもしれません。
仕事が単なる作業と化し、創造性や探究心が失われていたのです。
そんな私が再び光を見出したのは、IT企業の研修講師という新たな道でした。
受講者の方々に知識を伝える中で、彼らの目に宿る「なぜ?」という輝きに触れ、自分自身の中にも再びその火が灯り始めたのです。
「なぜこのコードはこう動くの?」
「なぜこの概念が重要なの?」
という質問に答えながら、私自身も新たな気づきを得ることができました。
現在は合同会社フェデュケーションを起業し、プログラミング講師としてだけでなく、Gallup認定ストレングスコーチとしても活動しています。
どちらの活動においても、私が大切にしているのは、「なぜ?」という問いかけです。
プログラミングでは技術的な「なぜ?」を、ストレングスコーチングでは自分自身や他者の強みについての「なぜ?」を探求します。
講座の中で印象的だったのは、あるシニアの受講者の方の変化です。
最初は「自分の年齢でプログラミングなんて覚えられるのだろうか」と不安を抱えていましたが、「なぜこの命令はこのような結果を生むのか」という好奇心に従って一つひとつ理解していくうちに、驚くほど早く基礎を習得されました。
彼は後に「若い頃より集中して学べる。なぜなら目的が明確だから」と語ってくれました。
年齢は学びの障壁ではなく、むしろ「なぜ?」という問いを持つ強さが重要なのだと、改めて教えられた瞬間でした。
また、企業研修の場では、単に操作方法や技術を教えるだけでなく、
「なぜこの技術が生まれたのか」
「なぜこの方法が効率的なのか」
という背景や本質を伝えることを心がけています。
表面的な知識は時間とともに陳腐化しますが、本質的な理解は長く役立ち、新たな状況にも応用できるからです。
プログラミングの世界は常に変化しています。
新しい言語、フレームワーク、ツールが次々と登場し、時に圧倒されることもあるでしょう。
しかし、
「なぜこの技術が必要とされているのか」
「なぜこの方法が選ばれているのか」
と問いかけることで、表面的な違いの奥にある普遍的な原理を見出すことができます。
そうすれば、どんな新技術が登場しても、その本質を素早く理解し、適応することができるのです。
私がGallupストレングスコーチとして活動する中でも、「なぜ?」の力は大きな役割を果たしています。
なぜ自分はこの状況でこのように反応するのか、なぜこの活動に取り組むと充実感を覚えるのか、なぜこの方法が自分に合っているのか。
こうした問いかけを通じて、一人ひとりの強みや特性を掘り下げていくことで、より自分らしく、より効果的に行動できるようになるのです。
学びの過程では、「分からない」という状態に直面することも少なくありません。
しかし、それを恐れずに「なぜ分からないのだろう?」と問いかけることで、理解への新たな道が開けることがあります。
私の講座では、「分からない」を隠すのではなく、むしろ大切な学びのチャンスとして捉えることを奨励しています。
質問することは弱さではなく、成長への強い意志の表れなのです。
好奇心から生まれる「なぜ?」は、単に知識を増やすだけでなく、創造性や問題解決能力も高めてくれます。
プログラミングにおいても、既存のコードをそのまま使うのではなく、
「なぜこの方法がベストなのか」
「もっと効率的な方法はないか」
と問いかけることで、革新的なソリューションが生まれることがあります。
イノベーションの源泉は、当たり前を疑う勇気にあるのです。
私自身、ITエンジニアとしての17年間と、その後の挫折を経て、講師という天職に巡り会った経験から、人生における「なぜ?」の重要性も実感しています。
「なぜ自分はこの仕事に情熱を感じないのか」
「なぜ別の道に進みたいと思うのか」
と自問することで、本当に自分が望む道を見つけることができました。
日々の講座の中で、受講者の方々の目が輝く瞬間があります。
それは、単に問題の解答を得た時ではなく、「なぜそうなるのか」という理解に到達した時です。
「あ、そういうことか!」という発見の喜びは、学ぶことの最大の報酬であり、私自身もその喜びを共有できることに深い充実感を覚えます。
技術を教える際に重要なのは、単に「どうやるか」だけでなく「なぜそうするのか」を伝えることです。
背景や理由を理解することで、知識は単なる記憶から、応用可能な智慧へと昇華します。
私の講座では、できるだけ「なぜ?」に答える時間を大切にしています。
それは時に遠回りに思えるかもしれませんが、長い目で見れば最も効率的な学習法なのです。
プログラミングの世界は論理的で厳格なように見えますが、実は創造性と好奇心が大きな役割を果たしています。
「なぜこのようなシステムが必要とされているのか」
「ユーザーはなぜこの機能を求めているのか」
と問いかけることで、より人間中心のソリューションが生まれるのです。
技術と人間の架け橋となるためには、コードの向こう側にいる人々への好奇心も欠かせません。
また、学びの過程では「失敗」も重要な要素です。
プログラムがエラーを出した時、「なぜこれが動かないのか」と問いかけることで、より深い理解に到達することができます。
私の講座では、エラーを恐れるのではなく、むしろ「良い先生」として歓迎する姿勢を伝えています。
エラーメッセージは、コンピュータが私たちに教えてくれる貴重なヒントなのです。
人生においても、うまくいかない時や思い通りにならない時こそ、「なぜ?」と問いかける価値があります。
私自身、キャリアの挫折を経験し、うつ状態に陥った時期がありましたが、
「なぜ自分はこの状態になったのか」
「なぜ別の道を模索したいと感じるのか」
と向き合うことで、新たな可能性を見出すことができました。
時に痛みを伴う「なぜ?」も、成長への重要なステップとなり得るのです。
好奇心を持ち続けることは、単に知識を増やすだけでなく、人生を豊かにする力ともなります。
新しいことに挑戦する勇気、未知の領域を探索する喜び、当たり前を疑う視点—これらはすべて「なぜ?」という問いから始まります。
私は講師として、またストレングスコーチとして、この好奇心の灯を絶やさず、むしろ周囲に広げていきたいと願っています。
仕事を楽しめる人たちを増やしたい、多くの人にITの楽しさを知ってもらいたい—その願いの根底にあるのも、「なぜ?」という好奇心の価値への確信です。
好奇心が学びを促し、学びが成長をもたらし、成長が自信と喜びを生み出す。
この好循環が、人生を豊かにする鍵なのではないでしょうか。
私自身、天職との出会いによって「えびす顔」になれたのも、「なぜ自分はこの仕事に喜びを感じるのか」を探求し続けた結果かもしれません。
一人ひとりが自分なりの「なぜ?」を大切にし、その答えを見つける旅を楽しみながら、共に成長していけることを心から願っています。
好奇心という種を育て、「なぜ?」という問いを大切にしながら、これからも楽しく学び続けていきましょう。
その先には、きっと新しい発見と深い理解、そして何より学ぶ喜びが待っているはずです。