新しいことを始めると、最初はなかなか結果が見えてこないものです。
毎日コツコツと取り組んでいるはずなのに、何も変わっていないように感じる。
そんな経験、あなたにもありませんか。
私自身、ITエンジニアとして働いていた時期に、大きな壁にぶつかりました。
技術を磨いても磨いても、思うような成果が出ない日々が続いて、気がつけば心がすっかり折れてしまっていたんです。
当時は本当に、前へ進むことが怖かった。
「もう続けても意味がないのかもしれない」と、何度も自分に言い聞かせるように思っていました。
それでも気持ちを立て直して、今こうして講師という仕事に辿り着いたのは、あの苦しかった「続けた日々」があったからだと、今では確信しています。
あのときの自分に声をかけるとしたら、「もう少しだけ続けてみて」と伝えたい。
さて、今の仕事でプログラミングを教えていると、受講者の方たちから同じような悩みをよく聞きます。
「もう3ヶ月も経つのに全然できるようにならない」「周りはどんどん進んでいるのに、自分だけが取り残されている気がする」と。
そのたびに私は、コップに水を注ぐ話をするんです。
コップに水を注ぎ続けていると、あるところまではいつまでも溢れてこない。
でも、限界の一滴が入った瞬間、ドッとこぼれ出す。
学びも、努力も、きっとそれと同じ仕組みだと思うんですよね。
見えない変化が、確実に内側で積み上がっています。
あなたのコップは今、どのくらい満たされているでしょうか。
実際に講義の場でも、こんなことがありました。
何ヶ月も「わからない、できない」と言い続けていた受講者が、ある日突然スラスラとコードを書き始めたんです。
本人も驚いていて、「急にパズルのピースがはまった感覚がした」と話してくれました。
傍から見ていても、ちゃんとわかる。
変わる瞬間というのは、びっくりするくらいはっきりと見えるものです。
私はあの場面を、何度も思い出します。
あれほど「続けてよかった」と心から思える瞬間はなかなかないものだと、今でも感じています。
その受講者は今も、楽しそうにプログラミングを続けています。
側で見守る立場として、あんなに嬉しいことはありません。
とはいえ、その瞬間が来るまでの道のりは、正直しんどいです。
結果が出ない時期ほど、人は「本当にこの方向でいいのか」と迷いやすいものです。
実のところ私も過去に、続けることを途中で諦めてしまった経験があります。
あとから振り返れば、もう少し続けていれば違う景色が見えていたかもしれないと感じる場面が、いくつかありました。
そこから学んだ大切なことのひとつは、「手応えがないこと」と「意味がないこと」は全く別物だということ。
手応えがないのは、まだ閾値に達していないだけかもしれない。
諦めるのは、その閾値を超えてからでも遅くないはずです。
今感じている停滞感は、成長の予兆かもしれません。
ふと思うのですが、私たちは「結果」を積み重ねているのではなく、「行動」を積み重ねているんですよね。
結果というのは、積み重なった行動がある一点を超えたときに一気に現れる。
だから、今日結果が出なかったとしても、あなたが積み上げた時間はゼロにはなっていません。
確実に、静かに、次の爆発に向けて蓄積されています。
その蓄積こそが、継続の本当の意味なんだと私は考えています。
毎日の小さな行動を、どうか軽く見ないでほしいんです。
それでも続けるのが難しいと感じるとき、私がおすすめしたいのは「自分の小さな変化に気づく習慣」を持つことです。
先週より少し早く問題が解けた、以前は調べなければわからなかったことを今日は自然に思い出せた、そういった微細な進歩を意識して見つけることで、モチベーションは長持ちします。
「前より少しだけマシになっている自分」を見逃さないようにしてほしいんです。
大きな変化ばかりを追いかけていると、小さな成長に気づけなくなってしまいます。
でも、大きな変化というのは実は、気づかれていない小さな積み重ねの上に、突然現れるものです。
私は、子どもの頃からプログラミングが好きでした。
それが高じてITエンジニアになり、そして挫折して、今は人に教える仕事をしています。
振り返ると、決して一直線の道ではありませんでした。
でも、遠回りに見えたその道のりのひとつひとつが、今の自分を作っていると感じています。
何かを続けることには、そういった予想外の意味が後からついてくるものなんですよね。
遠回りのように見えても、無駄な道なんてひとつもなかったと、今は思えています。
あなたの回り道も、きっと同じです。
結果がまだ見えないあなたへ。
あなたが今日も続けたその一歩は、必ず意味を持っています。
続けることの力は、続けた人にしかわかりません。
焦らなくていい。比べなくていい。
ただ、今日という日に自分なりの一歩を踏み出せたなら、それで十分です。
その瞬間が訪れる日まで、今日も一緒に、丁寧に前へ進んでいきましょう。