文系出身者はITエンジニアになれない。
そんな思い込みを持っている人が、実はとても多いんです。
けれども現場を見ていると、文系の方々が素晴らしい活躍をしている姿をたくさん目にします。
プログラミング言語やシステムを理解する力というのは、文系理系という枠組みとは関係なく、今この瞬間からでも充分に身につけることができるスキルなのです。
講師として多くの受講者と向き合ってきた中で、何度も同じ質問を受けてきました。
「私は文系出身なんですが、本当にプログラミングができるようになるんでしょうか」
と不安そうに尋ねてくる方が後を絶ちません。
その度に私は、文系理系という区分けが意味を持たない世界がここにあることを伝えています。
実際、受講者の中には法学部出身の方もいれば、文学部や経済学部から転身してきた方もいます。
彼らは今、立派にプログラムを書き、システムを構築し、クライアントの課題を解決しています。
なぜ文系出身者でもITエンジニアになれるのか。
それは、プログラミングというものが本質的には論理的思考力とコミュニケーション能力の組み合わせだからです。
コードを書く作業は、確かに技術的な知識を必要とします。
とはいえ、それ以上に大切なのは
「何を作りたいのか」
「どう問題を解決するのか」
という思考プロセスなんですよ。
むしろ文系の方々が培ってきた文章読解力や論理構成力、人の気持ちを汲み取るコミュニケーション能力は、システム開発の現場で非常に重宝されています。
実のところ、私自身も長年IT業界にいる中で、文系出身のエンジニアが活躍する場面を数え切れないほど見てきました。
ある受講者は大学で心理学を専攻していましたが、今では企業の業務システム開発を担当しています。
彼女が語ってくれたのは、
「人の行動や心理を理解する力が、使いやすいシステムを設計する上で役立っている」
ということでした。
別の受講者は文学部出身で、当初は自分にプログラミングができるとは思っていなかったそうです。
それでも講義を重ねるうちに、物語の構成を考える力がプログラムの設計に通じることに気づいたと言います。
ここで一つ、具体的な例をお話ししましょう。
相模原市内で開講している講義に参加していた30代の女性がいました。
彼女は経営学部を卒業後、営業職として10年以上働いていましたが、ふとしたきっかけでIT業界に興味を持ったそうです。
最初の講義で彼女は、
「数学が苦手だった私に本当にできるんでしょうか」
と不安を口にしていました。
けれども学習を進めていくうちに、営業で培った顧客のニーズを聞き出す力や、提案書を作成する論理的思考力が、システム要件を整理する場面で大いに活かされることに気づいていったんです。
半年後、彼女は見事に転職を果たし、今では中小企業向けのWebシステム開発に携わっています。
文系出身者がITエンジニアを目指す際に躓きやすいポイントも、もちろんあります。
それは「最初の一歩をどう踏み出すか」という部分です。
プログラミング言語は種類が多く、何から学べばいいのか分からない。
専門用語が飛び交う世界に飛び込むのが怖い。
そういった声をよく聞きます。
実際、私が講師を始めた頃に出会った受講者の中にも、初回の講義で専門用語の多さに圧倒され、「自分には無理かもしれない」と弱気になった方がいました。
そこで大切なのが、段階的に学べる環境と、疑問をすぐに解消できるサポート体制です。
講義では、まず基礎的な概念から丁寧に説明し、受講者一人ひとりの理解度に合わせて進めていきます。
プログラミングは積み重ねの学問ですから、焦らず一つずつ理解していけば、必ず次のステップに進めるんですよ。
それでも分からないことがあれば、何度でも質問していただけるような雰囲気作りを心がけています。
受講者同士で教え合う場面も多く、文系理系関係なく助け合いながら成長していく姿を見るのは、講師としての大きな喜びです。
また、プログラミング学習において重要なのは、ただコードを書くだけではなく、「何のために作るのか」という目的意識を持つことです。
文系出身の方々は、この「目的」を見失わない力に長けていることが多いんです。
技術だけに没頭してしまうと、使う人の視点を忘れがちになります。
けれども文系の感性を持つ方は、常にユーザーの立場に立って考えることができる。
これは開発現場で非常に価値のある視点なんです。
さらに言えば、IT業界はこれからますます多様性を求めています。
技術一辺倒ではなく、ビジネスの理解や人間関係の構築、プレゼンテーション能力など、総合的なスキルが求められる時代です。
その意味で、文系出身者が持つ幅広い教養や柔軟な思考は、むしろ強みになります。
エンジニアとして技術を磨きながらも、クライアントとの折衝やチームのマネジメント、新しいサービスの企画提案など、活躍の場は無限に広がっているんです。
私自身、これまで2000人以上の受講者と関わってきましたが、その中で学んだことがあります。
それは、「できない」と思い込んでいるだけで、実際にやってみると意外とできてしまうことが多いということです。
特にプログラミングは、最初の壁を越えてしまえば、後は楽しくなってくる分野なんですよ。
コードが動いた瞬間の達成感、自分の手で何かを作り上げた時の喜びは、何物にも代えがたいものがあります。
それを文系出身だからという理由で諦めてしまうのは、あまりにももったいない。
実際、講義を受けた方々からは
「最初は不安だったけれど、やってみたら楽しかった」
という声を多くいただきます。
ある受講者は、
「プログラミングって数学ができないとダメだと思っていたけれど、実際は論理パズルを解くような感覚で、むしろ楽しい」
と話してくれました。
別の方は、
「自分で作ったプログラムが動いた時、これまで感じたことのない達成感があった」
と目を輝かせていました。
こうした声を聞く度に、文系理系という枠にとらわれず、もっと多くの人にITの世界を知ってほしいと強く思います。
もちろん、学習には時間がかかります。
すぐに結果が出るわけではありません。
それでも、一歩ずつ確実に前進していけば、必ずゴールにたどり着けます。
私が関わった受講者の中には、50代から学び始めて転職を成功させた方もいます。
年齢も経歴も関係ない。
大切なのは「やりたい」という気持ちと、継続する意志です。
今の時代、ITスキルは特別なものではなく、誰もが持つべき基礎的な能力になりつつあります。
文系出身だからといって尻込みする必要はまったくありません。
むしろ、あなたが今まで培ってきた経験や知識が、IT業界で新しい価値を生み出す可能性を秘めているんです。
プログラミング言語は、最初は難しく感じるかもしれません。
けれども一つずつ学んでいけば、必ず理解できるようになります。
システムを理解する力も、毎日少しずつ積み重ねることで、確実に身についていきます。
相模原市で講義をしている中で、地元の中小企業の方々からも「IT人材が欲しい」という声をたくさん聞きます。
企業側も、技術だけでなく人間性やコミュニケーション能力を重視するようになってきています。
だからこそ、文系出身の方々にとって、今は大きなチャンスなんです。
企業は即戦力を求めていますが、それ以上に「学び続ける姿勢」と「柔軟な発想」を持った人材を必要としています。
最後に、もしあなたが今「ITエンジニアになりたいけれど、文系だから無理かも」と思っているなら、その思い込みを一度手放してみてください。
実際に講義に参加してみる、オンラインの無料教材に触れてみる、小さなプログラムを書いてみる。
何でもいいので、まず一歩を踏み出してみてほしいんです。
その一歩が、あなたの人生を大きく変えるきっかけになるかもしれません。
ITの世界は、あなたを待っています。
文系理系という枠を超えて、新しい可能性に挑戦してみませんか。
