うまくいかない日が続いて、自分を信じられなくなりそうな瞬間って、誰にでもあると思います。
私もそういう時期を、何度も経験してきました。
どれだけ努力しても手応えが感じられず、「このまま続けていて意味があるのだろうか」と何度も自問した日々があります。
あなたにも、似たような経験がありませんか。
きっと一度や二度ではないはずです。
プログラミングを教える仕事をしていると、受講者の中にそういった壁にぶつかる人を何人も見てきました。
最初は意欲的に取り組んでいたのに、エラーが続いたり、思ったように動かなかったりして、ある日ぱたりと手が止まってしまう。
あの沈黙が、正直つらいんです。
でも実のところ、その「止まる瞬間」こそが、成長の一番手前にある場所だということを、私は何度も目の当たりにしてきました。
講義の場でそれを感じるたびに、「ここを乗り越えた先に何かある」と確信するようになっています。
壁にぶつかることは、弱さの証明ではなく、真剣に向き合っている証拠です。
私自身、小さな頃からパソコンが好きで、ITエンジニアとして働き始めた時期がありました。
しかしある時期、仕事が思うようにいかなくなり、気づけば心が折れていました。
うつ状態になり、自分には何もできないという感覚に押しつぶされそうになったことがあります。
あの頃は、朝起きることさえ重かった。
それでも、少しずつ、本当に少しずつ、できることを積み上げていくうちに、また動き出せる自分に戻っていきました。
完全に回復したというより、ゆっくりと「もう一度やってみよう」という気持ちが芽生えてきた、という感じです。
今思えば、あの経験があったからこそ、受講者の「止まっている瞬間」の重さが、自分ごととして理解できるようになったと感じています。
失敗は、遠回りではなく、確かな道のりの一部でした。
講師として受講者と向き合う今でも、この経験は私の根っこにあります。
うまくいかない時に「焦らなくていい」と言える背景には、あの時期の記憶があるからです。
ふと思うのですが、世の中には「結果を出した人の話」があふれていて、「途中でぐちゃぐちゃになった話」はなかなか表に出てこない。
でも本当は、そのぐちゃぐちゃの部分にこそ、多くの人が共感できる真実があると思っています。
きれいな成功談よりも、泥臭い過程の話の方が、誰かの背中をそっと押すことがある。
私はそう信じています。
あなたが今感じている「もどかしさ」も、決して無駄ではありません。
さて、ここで少し考えてみてほしいのですが、「続けることが苦手」だと感じている人の多くは、本当に継続力がないのではなく、続ける対象の選び方や、ペースの組み立て方を知らないだけだったりします。
私が講義の中でよく伝えることのひとつが、「1日に10分でいい」という考え方です。
毎日完璧にこなそうとすると、できなかった日に罪悪感が生まれ、それが積み重なって最終的にやめてしまう。
でも10分なら、どんなに疲れていても確保できる可能性が高い。
小さく続けることが、結果的に大きな差を生みます。
続けることは才能ではなく、仕組みの問題だと私は思っています。
ちょっとした設計の工夫で、人は驚くほど変わることができます。
受講者の中に、3ヶ月間ほぼ毎日つまずきながらも諦めなかった方がいます。
最初は本当に基礎的なところで詰まっていて、正直なところ私も心配していました。
でも彼女は、わからないことをそのままにせず、少しずつ調べ、少しずつ試し、少しずつ前に進んでいった。
3ヶ月後、彼女が自分で作ったプログラムが動いた瞬間、その表情はまさに「ぱっと晴れた」という言葉がぴったりでした。
あの顔を見た時、「続けることに価値がある」という言葉が改めて実感として腑に落ちました。
どんな小さな進歩でも、積み重なれば人の表情を変える力があると知った瞬間でもありました。
うまくいかない日は、何かを教えてくれている日でもあります。
エラーはバグではなく、「ここを直せばもっとよくなる」というサインです。
壁は行き止まりではなく、登り方を考える機会です。
とはいえ、そう簡単に気持ちを切り替えられないのも事実で、そこは無理に前向きになろうとしなくてもいいと思っています。
ただ、「今日はここまで」と区切りをつけて、また明日手を動かすことができれば、それで十分です。
完璧な状態で続けなくていい。
続いていること自体が、すでに結果のひとつだと私は考えています。
どうか、自分をそんなに責めないでください。
あなたが今、どんな場所に立っていたとしても、できることから少しずつ積み上げていけば、必ず結果が出る時がやってきます。
新しい発見が生まれるのも、解決策が見えてくるのも、続けている人にだけ訪れるご褒美だと私は信じています。
仕事をしていると、季節の変わり目に「ああ、また一歩前に進んだな」と感じる瞬間があります。
そういう小さな実感を大切にしながら、今日も前に進んでいきましょう。
あなたの小さな一歩が、やがて大きな景色を変えていきます。
その一歩を、心から応援しています。