未来エンジニア養成所Blog

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資格より大切な、講師としての本質

プログラミング講師として活動していると、よく受ける質問があります。

「講師になるために必要な資格は何ですか?」

「どんな試験に合格すれば講師として認められるのでしょうか?」

このような質問には、いつも丁寧に答えるようにしています。

確かに基本情報技術者試験やJava資格などの公的な認定は、講師としての信頼性を高める強みになります。

履歴書に記載できる肩書きは、特に初対面の方に安心感を与えるでしょう。

しかし、長年この仕事に携わってきた経験から言えるのは、真に優れた講師に必要なのは、紙の証明ではないということです。


私自身を振り返ると、小学生の頃からプログラミングに親しみ、その後17年間ITエンジニアとして実務経験を積みました。

その道のりは決して平坦ではなく、キャリアの途中で深刻なうつ状態に陥ったこともあります。

しかし、IT企業研修講師という新たな役割に出会い、そこから合同会社フェデュケーションを起業するまでに至りました。

この経験から強く感じるのは、講師として本当に必要なのは「教える情熱」と「実践的なスキル」だということです。


情熱を持って教えることの重要性は、いくら強調してもしすぎることはありません。

私が講師として成長できたのは、受講者の「わかった!」という瞬間に立ち会える喜びを原動力にしてきたからです。

目の前で理解の光が灯る瞬間、それまで混乱していた表情が晴れやかに変わる瞬間、これほど講師冥利に尽きることはありません。

この喜びを感じられる人は、たとえ資格がなくても素晴らしい講師になれる素質を持っています。


あるとき、資格は持っていないけれどもエンジニアとしての実務経験が豊富な方が、講師になることに不安を感じていると相談を受けました。

私はその方に

「あなたが現場で培ってきた知識と経験こそが、最も価値のある教材になる」

と伝えました。

実際に問題にぶつかり、それを解決してきた体験談は、どんな教科書よりも説得力があります。

「こういうエラーが出たとき、私はこう対処しました」

「この機能を実装するとき、こんな落とし穴がありました」

といった実体験に基づく話は、受講者の心に深く響くのです。


もちろん、実践的なスキルというのは単にコードが書けるということだけではありません。

現場で本当に役立つ知識を伝えるためには、技術の本質を理解していることが重要です。

なぜこの方法が良いのか、どういう状況でこのアプローチを選ぶべきなのか、実際のプロジェクトではどんな判断が求められるのか。

こうした「現場の知恵」こそが、受講者にとって真に価値のある学びになります。


Gallup認定ストレングスコーチとしての視点から見ると、優れた講師には「学習欲」「責任感」「共感性」「ポジティブ」といった強みがよく見られます。

常に新しい知識を吸収し続ける姿勢、受講者の成長に責任を持つ気持ち、一人ひとりの困難に寄り添える心、そして学びの場を明るく元気にする力。

これらの資質は、資格試験では測ることができません。

自分の強みを活かした教え方を見つけることが、講師としての個性を磨くことにつながるのです。


私がITエンジニアから講師への転身を決めたとき、最初は不安もありました。

「自分には教えるための適切な資格がない」

「もっと勉強してから始めるべきではないか」

と躊躇することもありました。

しかし、実際に教壇に立ってみると、エンジニアとして苦労した経験こそが最大の武器になることに気づきました。

自分が躓いた箇所は、受講者も同じように躓く可能性が高い。

だからこそ、どうすれば分かりやすく説明できるかを考え抜くことができたのです。


受講者の方々からいただく感想の中で、特に印象に残るのは

「まついさんの説明は、実際の現場を想像できるので分かりやすい」

「理論だけでなく、実践での応用方法まで教えてもらえて役に立った」

といったものです。

これは、単に資格を持っているだけでは得られない評価だと思います。

実務経験があるからこそ、教科書には載っていない「現場の匂い」を伝えることができるのです。


もちろん、だからといって資格の価値を否定するわけではありません。

基本情報技術者試験やJava資格などの公的な認定は、体系的な知識を持っていることの証明になります。

特に、まだ知名度や実績が少ない段階では、こうした資格が講師としての信頼性を高める強みになることは間違いありません。

初めて会う受講者に「安心して学べる環境」を提供するための一助になるのです。


しかし、長期的に見れば、最も重要なのは資格ではなく、受講者の成長にどれだけ貢献できるかという実績です。

「あの講師から学んで、実際に仕事で成果を出せた」

「理解できなかった概念が、あの講師の説明でクリアになった」

といった評判こそが、本当の意味での講師の価値を示すものだと考えています。


私がうつ状態から立ち直り、IT企業研修講師という天職に出会えたのは、資格を持っていたからではありません。

むしろ、自分自身が苦労した経験があるからこそ、初学者の気持ちに寄り添えたのだと思います。

同じように、プログラミング講師を目指す方にも、自分の経験や強みを活かした教え方を見つけてほしいと願っています。


講師としての成長は、教えながら学ぶ過程でもあります。

受講者からの質問に答えるために調べ、より分かりやすい説明方法を模索し、フィードバックを活かして改善していく。

この繰り返しが、講師としての実力を高めていくのです。

資格取得も同様に、ゴールではなくスタートだと考えると良いでしょう。

基本情報技術者試験に合格したから完璧な講師になれるわけではなく、その知識をどう活かして受講者に価値を提供できるかが問われます。


プログラミング教育の現場では、技術の進化に合わせて常に学び続ける姿勢が求められます。

五年前に最先端だった技術が、今では古くなっていることも珍しくありません。

このような環境で受講者に最新かつ実践的な知識を提供するためには、資格の有無に関わらず、常にアンテナを張り、学び続ける情熱が不可欠です。

「教える立場だから」と慢心せず、謙虚に新しい知識を吸収し続けることが、長く講師を続けるための秘訣だと言えるでしょう。


また、教えることの本質は、単に知識を伝達することではなく、受講者の「学ぶ力」を引き出すことにあります。

どんなに優れた資格を持っていても、一方的に知識を詰め込むだけでは、真の学びは生まれません。

受講者の反応を見ながら、理解度に合わせてペースを調整し、適切な問いかけで思考を促す。

このようなインタラクティブな教え方ができる講師こそが、受講者から信頼されるのです。


Gallup認定ストレングスコーチとしての経験を活かし、私は講師としても一人ひとりの強みを活かした学び方を大切にしています。

同じ内容を教えるにしても、論理的な説明が響く人もいれば、具体例やストーリーで理解する人もいます。

視覚的な資料が効果的な人もいれば、実際に手を動かすことで学ぶ人もいます。

こうした多様な学習スタイルに対応できることも、優れた講師の条件の一つでしょう。


私が合同会社フェデュケーションを起業したのも、多くの人にITの楽しさを知ってもらいたいという情熱があったからです。

資格や肩書きではなく、その情熱こそが原動力になりました。

同じように、講師を目指す方にも「なぜ教えたいのか」という根本的な問いを大切にしてほしいと思います。

その答えが

「誰かの成長を支えたい」

「技術の魅力を伝えたい」

といった利他的なものであれば、きっと素晴らしい講師になれるでしょう。


資格の取得は一つの目標として意味のあることです。

勉強の過程で体系的な知識を身につけられますし、合格という明確な成果は自信にもつながります。

しかし、それはあくまで手段であって目的ではありません。

真の目的は、受講者に価値のある学びを提供し、彼らの成長を支えることです。

資格の有無に関わらず、この本質を見失わなければ、信頼される講師になれるはずです。


最後に、講師として最も大切なのは「人間性」かもしれません。

どんなに高度な技術を持っていても、受講者に寄り添う心や分かりやすく伝える工夫がなければ、良い講師とは言えません。

逆に、技術的な知識が多少不足していても、「分からないことは一緒に調べよう」という姿勢や、受講者の質問に真摯に向き合う態度があれば、信頼関係を築くことができます。

資格では測れないこの「人間力」こそが、長期的に見て最も重要な講師の資質なのではないでしょうか。


プログラミング講師を目指す皆さん、資格取得は一つの選択肢として検討しつつも、本当に大切なのは教える情熱と実践的なスキルだということを忘れないでください。

そして何より、受講者一人ひとりの成長を心から願う気持ちを持ち続けることが、真の意味で信頼される講師への道だと信じています。


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