今回はアラビア数字が誕生するまでの歴史を解説します。
アラビア数字は8世紀頃から広まったもので、それまでは石ころや粘土、木片、貝殻など様々な方法で計算をおこなってきました。
それまで使って来た数字を知れば知るほどアラビア数字が画期的な発明だったことに気が付くはずです。
みなさんに質問です。
一番古い数の数え方は何でしょうか。
正確な事は言えませんが、それは両手の十本の指を使った数え方だと考えられています。
今でも小さい子などが指を折ってモノを数えることがあると思います。
太古の昔にはモノの一つ一つを指の一本一本に対応させていたに違いありません。
その結果として世界的に十進数が普及しました。
つまり、10をひとまとまりとして数を数えているのです。
大きな数を計算するのに、指だけでは足りなくなって、人類がはじめて計算道具として用いたのは石ころです。
世界最古の計算道具はギリシャのサラミスと言う島で発見されました。
それはアバカスと呼ばれ、計算盤を意味しています。
アバカスにちなんで、コンピュータの進化は石ころからりんごへ、つまり、アバカスからアップルへの進化と言われることもあります。
それ以降、指や石ころを使った計算を超えて、色々な計算方法を生み出してきました。
石ころや粘土、牙、貝殻、木片、縄の結び目などを用いた文明もありました。
また、漢数字やギリシャ数字、エジプト数字やローマ数字など世界各地で数字が誕生しました。
しかし、これらを使った計算ではコンピュータを実現することはできません。
今でもずっと石ころや粘土、エジプト数字で計算をしていたらコンピュータは作れませんでした。
「半導体や電子部品が必要」ということではなくて、効率的に計算できる数字が必要になります。
コンピュータは内部で高速に計算をしていますが、どの数を使っても良いわけではないのです。
ではなぜ昔の数字ではコンピュータを実現できないのでしょうか。
それには2つの理由があります。
1つ目が「大きな数を表すときに不便だから」
2つ目が「桁数が上がるときに計算しづらいから」
です。
具体的な例を挙げながら考えてみましょう。
ローマ数字を例に考えてみます。
ローマ数字ではそれぞれの数字が上記のようになっています。
それぞれが1、10、100、1000、10000に対応しています。
こちらの数字を例に、まず一番目の大きな数を表すときに不便なことを考えてみましょう。
ローマ数字でここからさらに数が増えた場合はどうなるのでしょうか。
10000以上の数を表す場合はそれに対応した数字を考えないといけません。
つまり、数が大きくなるほど、新しい記号を作らないといけません。
数は無限に増えますから、それに応じて無限に記号を増やさないといけないのです。
また、ローマ数字は計算をするのにも厄介です。
例えば上の図では1000と999を足し算する場合を考えています。
こちらの計算式では1000は一番左側のアルファベット「M」。
999は「CMXCIX」。
計算結果である1999は「MCMXCIX」で表しています。
私たちの感覚からすれば、1000より数が少ない999の方が文字数が多くて複雑なのが見づらく感じます。
また、足し算で同じ数を並べたとき、同じ桁の数がバラバラになっているので、非常に計算がしづらくなっています。
もう一度昔の数字ではコンピュータを実現できない理由を考えてみます。
つまり、従来の数を使っていた場合、「大きな数を表しづらい」 「桁数が上がると計算しづらい」という2つの問題がありました。
計算がしづらいということは、内部で計算処理をおこなうコンピュータは技術的に実現することは難しい状況でした。
このような従来の数字の使いづらさをアラビア数字はいかに解決したのでしょうか。
次回はアラビア数字について解説したいと思います。
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