
デジタル化を進める上で大切なのは、紙やFAXをいきなりゼロにすることではありません。
むしろ、どこまで紙で管理して、どこからデジタルで扱うかという境界線を明確にすることこそが、混乱を避ける鍵になるでしょう。
地域の中小企業を支援していると、よく耳にするのが「DXって全部デジタルにしないといけないんですよね」という誤解です。
実はそうではないのです。
紙には紙の良さがありますし、長年培ってきた業務フローを一気に変える必要もありません。
とはいえ、ルールがあいまいなまま進めてしまうと、気づいたときには「紙とデジタルが混在して、どちらが最新の情報か分からない」という事態に陥ってしまいます。
なぜこんなことが起きるのでしょうか。
それは、明確な基準がないまま「なんとなく」でデジタル化を進めてしまうからです。
ある部署ではExcelで管理しているのに、別の部署では相変わらず紙の台帳を使っている。
営業担当者はスマホで顧客情報を確認したいのに、肝心のデータは事務所のキャビネットに眠ったまま。
こうした状況が積み重なると、せっかくデジタルツールを導入しても効果が半減してしまいます。
実際、ある製造業の企業では、受注情報を紙の伝票とExcelの両方で管理していました。
最初は「念のため両方残しておこう」という考えだったそうです。
ところが、時間が経つにつれて「どちらを見れば正しい情報が分かるのか」が曖昧になり、結局は二重入力の手間が発生していました。
この企業と一緒に「受注から3日以内の案件は紙でも確認、それ以降はExcelを正とする」というルールを設定したところ、スタッフの混乱が大幅に減ったのです。
では、どうやってその境界線を引けばいいのでしょうか。
まずは現場の声を丁寧に聞くことから始めます。
長年働いているスタッフほど、紙の業務フローに慣れています。
それを無視して「明日から全部デジタルです」と言っても、現場は混乱するだけでしょう。
一方で、若手社員は最初からデジタルツールに抵抗がないかもしれません。
両者の意見を聞きながら、「この業務は紙のほうが効率的」「この作業はデジタル化したほうが早い」と一つずつ仕分けていくのです。
神奈川県相模原市には、中小企業がたくさんあります。
地域経済を支えているのは、こうした企業の皆さんです。
それでも、DXという言葉が一人歩きして「何から始めればいいか分からない」という声が多いのも事実でしょう。
大企業のように潤沢な予算があるわけでもなく、専任のIT担当者がいるわけでもない。
だからこそ、地域に根ざした伴走支援が必要だと感じています。
DX学校相模原中央校では、全国56校で2000社以上の実績をもとに、企業ごとの状況に合わせた提案をしています。
IT人材育成やIT導入支援、マーケティング、DXサポートなど、さまざまな角度から課題を見つけ、一緒に解決策を考えていきます。
補助金申請のサポートやアフターフォローも対応していますから、「導入して終わり」ではなく、継続的に成長できる体制を整えられるのです。
たとえば、ある建設会社では、現場監督が毎日手書きで作業日報を書き、それを事務所でパソコンに打ち直していました。
この二重作業を解消するため、現場監督にはタブレットで簡単に入力できるフォームを用意し、事務所では自動的にデータが集約される仕組みを導入しました。
ただし、安全管理のチェックシートだけは紙で残すことにしました。
なぜなら、現場では手袋をしたままサインする必要があり、タブレット操作が不便だったからです。
このように、全てをデジタルにするのではなく、適材適所で使い分けることが大切なのです。
地元の企業と人材育成の好循環を目指すためには、IT初心者でも安心して学べる環境が欠かせません。
担当講師が1社ごとに丁寧にヒアリングし、その企業の課題や目標に合わせたカリキュラムを組み立てます。
受講者の皆さんからは「講義が実務に直結しているから、すぐに使える知識が身につく」という声をいただいています。
DX未着手の企業を放置すれば、業務効率や競争力で差が開いていくでしょう。
それは企業だけの問題ではなく、地域全体の活力にも影響します。
だからこそ、今こそ地域でDX支援を始める必要があるのです。
相模原市は中小企業の多い街であり、地域経済の基盤はまさにここにあります。
IT技術の楽しさを多くの人に知ってもらいたい。
これは、プログラミング講師としてもGallup認定ストレングスコーチとしても、常に心に抱いている目標です。
仕事を楽しめる人たちが増えれば、自然と組織も活性化し、地域も元気になっていきます。
紙とデジタルの境界線を一緒に考え、「まず何から始めればいいか分からない」という不安を一つずつ解消していく。
それがDX学校相模原中央校の役割だと考えています。
あなたの会社でも、もしかしたら「なんとなく」が積み上がっていませんか。
その線引きを、ぜひ一緒に考えてみませんか。