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経験者の失敗談が、最高の教科書になる理由

経験者の失敗談が、最高の教科書になる理由 プログラミングを学ぶとき、あなたはどんな方法を選びますか。


書籍を読む、動画を見る、ひたすらコードを書いてみる。

方法はいろいろあります。

でも、私が講義を重ねてきた中でずっと感じていることがあって、それは「経験者の失敗談に勝る教材はない」ということです。

綺麗に整理されたチュートリアルも大切ですが、実際に現場で躓いた人の話には、どこか血が通っているような重みがある。

その重みが、受講者の学びをぐっと深くするのだと私は信じています。

では、なぜ失敗談がこれほど力を持つのでしょうか。


実のところ、私自身も長い回り道をしてきました。

小学生の頃からプログラミングに触れ、そのままITエンジニアの道に進んだものの、ある時期に完全に行き詰まってしまったことがあります。

いわゆるうつ状態です。

コードが書けなくなる、画面を見るのも辛くなる、あの感覚は今でもはっきり覚えています。

「自分にはもう無理なのかもしれない」と何度思ったことか。

それでも、そこから這い上がって今こうして講師という仕事に出会えたのは、周りにいてくれた経験者たちの言葉があったからだと思っています。

失敗したことがある人だからこそ、失敗している人の気持ちに寄り添える。

そのことを、身をもって学んだ時期でした。


さて、私が講義の場で大切にしていることの一つに、「失敗談ごと届ける」というスタンスがあります。

きれいに整理された成功ストーリーよりも、泥臭くて、恥ずかしくて、思い出すとちょっと苦笑いしてしまうような話のほうが、受講者の心にずっと深く刺さるのです。

あるとき、講義をした際に、受講者の一人がこんなことを言ってくれました。

「先生の失敗談を聞いて、自分が詰まっているのは当然なんだって思えました」と。

その言葉が、私の中でひとつの確信に変わりました。

上手くいっている話だけを聞かせても、受講者の背中は押せない。

むしろ、転んだ経験を包み隠さず話すことが、前に進む力になるのです。


経験豊富な開発者からのアドバイスが特別な理由は、答えだけじゃなく「答えに至るまでの迷い」が含まれているからだと思います。

教科書には載っていない判断の積み重ね、なぜそのアーキテクチャを選んだのか、なぜあのとき別の方法を試したのか。

そういった生の文脈こそが、受講者の思考力を育てます。

正解を暗記するのではなく、考え方のパターンが身につく。

これは本当に大きな違いで、数ヶ月後、数年後に確実に差として現れてきます。

誰かの試行錯誤の歴史を借りることは、自分の学習コストを大きく下げることにもなるのです。


とはいえ、聞くだけでは足りません。

一番もったいないと感じるのは、良いアドバイスをもらったのに「なるほど」で終わらせてしまうケースです。

私も講義の後、受講者が実際に手を動かしているかどうかをとても気にしています。

ふと思うのですが、知識というのは使わないとどんどん薄れていく。

逆に、一度でも自分の手で試してみると、その体験がしっかりと記憶に根を張るのです。

「頭でわかった」と「手が動く」の間には、思っているよりずっと大きな溝があります。

その溝を埋めるのは、結局のところ、手を動かし続けることしかないのです。


「素直に実践し続ける」という言葉は、シンプルに聞こえますが、これが一番難しい。

プライドが邪魔をすることもあるし、忙しさを言い訳にしてしまうこともある。

実際に私も、エンジニア時代に「もっと早く素直に人の意見を聞いていれば」と後悔した場面が何度もありました。

アドバイスをもらっても、自分のやり方に固執して遠回りをした経験は一度や二度ではありません。

それでも、続けた人と続けなかった人では、半年後、一年後に驚くほどの差が生まれます。

最初は同じスタートラインに立っていたのに、一方は自信を持ってコードを書き、もう一方はまだ同じところで悩んでいる。

その違いは才能ではなく、ほぼ間違いなく「続けたかどうか」です。

才能に頼るより、続ける力を育てることが、成長の本当の鍵だと感じています。


受講者の成長を見ていると、ああ、この仕事を選んで本当に良かったと思う瞬間があります。

うまくいかなくて悔しそうにしていた人が、ある日突然「できました」と言って画面を見せてくれる。

そのときの顔が、どれだけ輝いているか。

プログラミングは難しい。

でも、乗り越えたときの喜びはそれ以上に大きいのです。

その喜びを一人でも多くの人に届けたいというのが、私がこの仕事を続けている一番の理由です。

あなたにも、ぜひそんな瞬間を体験してほしいと思っています。


あなたの周りにも、経験者がいませんか。

その人の失敗談を、ぜひ聞いてみてください。

そしてそこから学んだことを、一つでもいいので実際に試してみる。

最初は小さな一歩で構いません。

その積み重ねが、確実に成長へとつながっていきます。

経験者の知恵を借り、素直に実践し続けること。

それが、プログラミング学習において最も確かな道だと、私は何度も何度も目の前で証明されてきたと感じています。

難しく考えなくていいのです。

まず一歩、動いてみることから始めましょう。


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