未来エンジニア養成所Blog

月単価180万以上のプログラミング講師がプログラミングを皆に楽しんでもらうための情報をお届けします。

記憶の仕組みを知れば、学びはもっと楽しくなる

講義を終えた翌日、受講者の方から「昨日教わった内容、もう半分くらい忘れちゃいました」という言葉を聞いたことがあります。

その時は「復習が足りなかったのかな」と思っていましたが、実はそれが人間にとって自然なことだと知ったのです。

記憶に関する研究によると、人は学んだことの74パーセントを1日で失ってしまうそうです。

この数字を知った時、私は衝撃を受けました。

せっかく時間をかけて学んでも、一晩寝たら7割以上が消えてしまうなんて、あまりにももったいないと感じたからです。


とはいえ、この事実を知ってからは、講義の進め方や資料の作り方を根本から見直すようになりました。

受講者の皆さんが限られた時間の中で学ぶのですから、その学びを最大限に活かせる環境を整えることが私たちの役目だと考えています。

ただ知識を伝えるだけでは、翌日には大半が失われてしまう。

それならば、記憶に残りやすい方法を取り入れるべきだと思ったのです。


記憶が失われる理由は、脳が「これは重要な情報ではない」と判断してしまうからです。

人間の脳は膨大な情報を処理しているため、全てを記憶しておくことはできません。

だからこそ、何度も触れたり、実際に使ってみたりすることで「これは大切な情報だ」と脳に認識させる必要があります。

講義中に一度説明を聞いただけでは、脳はそれを重要だと判断してくれないのです。


そこで私が取り入れているのが、アウトプットする機会を意図的に増やすことです。

たとえば講義の途中で、学んだ内容を自分の言葉で説明してもらったり、実際に手を動かして試してもらったりします。

頭の中で理解したつもりでも、それを言葉にしたり実践したりすると、意外とうまくいかないことがあるのです。

でもその「うまくいかない」という経験こそが、記憶を定着させる鍵になります。


ある時、エクセルの関数について講義をした際、最初に説明だけを行い、その後で実際に受講者の皆さんに関数を使ってもらいました。

すると、多くの方が「さっき聞いた時は分かった気がしたのに、いざやってみると分からない」とおっしゃいました。

これは決してネガティブなことではありません。

むしろ、自分がどこまで理解できていて、どこが曖昧なのかを知ることができた貴重な瞬間だったのです。

その後、もう一度説明を聞いて再度試してもらうと、今度はスムーズにできるようになりました。

この繰り返しが、記憶を強化していきます。


さらに、講義が終わった後にも復習しやすいように、まとめ資料をお渡しするようにしています。

これは単なる講義のスライドのコピーではなく、重要なポイントを整理し、自分で振り返りやすい形にまとめたものです。

受講者の方々は忙しい日々を送っていますから、膨大な資料を読み返す時間はなかなか取れません。

だからこそ、短時間で要点を思い出せる資料が必要だと考えました。

実際に、「この資料があったおかげで、後から見返して思い出すことができました」という声をいただくことも多く、嬉しく思っています。


それでも、資料を渡すだけでは不十分です。

人は一度に全てを理解することはできませんし、時間が経てば忘れてしまいます。

だからこそ、講義の中で何度も同じ内容に触れる機会を作るようにしています。

たとえば、前回の講義で学んだ内容を次回の冒頭で軽く振り返る時間を設けたり、新しい内容を説明する際に以前学んだことと関連付けて話したりします。

こうすることで、脳が「この情報は何度も出てくるから重要なんだ」と認識してくれるのです。


また、受講者同士で学んだことを共有する時間も大切にしています。

自分が理解したことを誰かに説明するという行為は、記憶の定着に非常に効果的です。

説明する側は、自分の理解を整理する必要がありますし、聞く側は別の視点から学ぶことができます。

講義室の中で「ここはこうやって理解しました」 「私はこんな風に使えそうだと思いました」といった会話が生まれる瞬間は、とても価値があると感じています。


ふと思うのですが、学びというのは一方通行ではなく、双方向のやり取りの中で深まっていくものです。

私が一方的に話すだけでなく、受講者の皆さんが考え、試し、話すことで、学びは自分のものになっていきます。

そしてそのプロセスこそが、記憶を強化する最良の方法なのです。


記憶が1日で74パーセントも失われるという事実は、一見するとネガティブに感じるかもしれません。

しかし、逆に言えば、適切な方法を取り入れることで、記憶を定着させることができるということでもあります。

アウトプットの機会を増やし、復習しやすい環境を整え、何度も同じ内容に触れることで、脳は「これは大切な情報だ」と判断してくれます。

そうすれば、学んだことは確実にあなたの中に残り、実際の場面で活かせる知識となるのです。


私自身、かつてはただ知識を伝えることが講師の役割だと思っていました。

けれども、本当に大切なのは、受講者の皆さんが学んだことを忘れず、実践で使えるようになることです。

そのために、記憶の仕組みを理解し、それに沿った講義の進め方を工夫しています。

これからも、皆さんの学びがしっかりと定着し、日々の仕事や生活に活かせるような環境を作り続けていきたいと思っています。


学びを確実なものにするために、一緒に工夫を重ねていきましょう。

あなたが学んだことが、しっかりと記憶に残り、実際の場面で役立つ瞬間がきっと訪れます。

その時、学ぶことの楽しさや価値を改めて感じていただけるはずです。


phoeducation.com