講師として「先生」と呼ばれるようになった瞬間、ふと気づいたことがあります。
偉くなった気分に浸ってしまう人が案外多いということです。
これは決して他人事ではなく、私自身も気をつけなければならない点だと常々感じています。
これは実際にプログラミング講師として多くの受講者と接してきた中で感じたことでもあります。
IT業界で研修を担当していると、技術的な質問に対して「それは初歩的すぎる」といった態度を取る講師を見かけることがあるでしょう。
しかし、そうした態度こそが、実は自分の知識不足を隠そうとしている証拠なのではないでしょうか。
本当に深い理解がある人ほど、初歩的な質問に対しても丁寧に答えようとするものです。
私自身、プログラミング講師として活動していて痛感するのは、どんなにベテランになっても学ぶべきことは山ほどあるということです。
受講者からの質問で「あれ、これってどうだったかな」と思うことは日常茶飯事ですし、新しい技術が次々と生まれるIT分野では、昨日の常識が今日の非常識になることもしばしばあります。
デジタル技術の進歩は想像以上に早く、立ち止まっている暇はありません。
例えば、プログラミング講義中に受講者から「この関数の動作原理は何ですか」と聞かれたとき、正直に「詳しく調べて次回お答えします」と言えるかどうか。
これが真の講師力だと思うんです。
知ったかぶりをして適当に答えてしまうより、素直に「わからない」と認める勇気の方がよほど価値があるでしょう。
受講者の方々は、講師の知識量よりも誠実さを見ているのかもしれません。
実際に、私が小学校時代からプログラミングに触れ、ITエンジニアとして働いていた頃を振り返ってみると、技術的な慢心から大きな失敗を犯したことがあります。
あるプロジェクトで、自分の経験だけを頼りに設計を進めた結果、後になって致命的な問題が発覚したのです。
その時の挫折感は今でも鮮明に覚えていますし、うつ状態になるほどの打撃でした。
チームメンバーに迷惑をかけ、クライアントにも大きな損失を与えてしまった苦い経験でした。
しかし、その失敗があったからこそ、今の研修講師という天職に出会えたのかもしれません。
受講者の前に立つときは、常に学習者としての姿勢を忘れないよう心がけています。
過去の失敗体験を包み隠さず話すことで、受講者の皆様にも「完璧でなくても大丈夫」というメッセージを伝えたいと思っています。
失敗こそが最大の学びの機会であることを、身をもって体験したからです。
IT企業での研修講師として活動する中で特に感じるのは、「わからないことをわからない」と正直に言える関係性の大切さです。
多くの企業や受講者と接してきた経験からも、最初から完璧を求めるのではなく、一歩ずつ着実に進むことの重要性を実感しています。
それぞれの受講者に異なる学習スタイルがあり、画一的な教え方では限界があるというのが正直なところです。
研修現場では、IT初心者の方々も多く受講されますが、彼らから学ぶことは本当に多いです。
「なぜこの機能が必要なのか」
「どうしてこの手順なのか」
といった根本的な質問をいただくたびに、自分の理解の浅さに気づかされます。
長年IT業界にいると当たり前だと思っていることが、実は十分に理解できていなかったということがよくあるのです。
専門用語を使わずに説明しようとすると、自分の理解があやふやだったことがはっきりとわかります。
Gallup認定ストレングスコーチとしての活動でも同様のことを感じます。
人それぞれが持つ強みを発見する過程で、私自身がクライアントから教わることの方が多いのではないかと思うことがあります。
コーチングセッション中に「その視点は考えたことがありませんでした」と言われることがありますが、実際には私の方が新しい気づきを得ているのです。
コーチとクライアントという関係を超えて、互いに学び合える関係性こそが理想的だと感じます。
謙虚でいることの意味を改めて考えてみると、それは単に控えめでいるということではないでしょう。
自分の限界を認識し、常に成長の余地があることを受け入れる姿勢のことだと思います。
相模原市という地域で活動していると、さまざまな業界の方々と出会う機会があります。
業界の垣根を越えた知見や、現場ならではの工夫など、教科書では学べない貴重な情報をいただくことがしばしばあります。
講師として活動していると、「教える側だから何でも知っているべき」というプレッシャーを感じることがあります。
とはいえ、そのプレッシャーに屈して知ったかぶりをしてしまうと、結果的に受講者の学習機会を奪ってしまうことになりかねません。
むしろ、「一緒に調べてみましょう」という姿勢で臨むことで、受講者も主体的に学習に参加できるようになるのです。
プログラミングという分野は特に、答えが一つではない問題が多く存在します。
同じ結果を得るためにも、複数のアプローチが考えられることがほとんどです。
そうした時に、講師が「これが正解です」と断言してしまうより、「こんな方法もありますが、他にも考えられそうですね」という投げかけをする方が、受講者の創造性を育むことができるでしょう。
また、技術の世界では常に新しいツールやフレームワークが登場します。
講師だからといって全てを把握している必要はないのかもしれません。
受講者と一緒に新しい技術を学び、その過程で得た発見を共有する。
そんな学習コミュニティのような雰囲気を作ることができれば、より豊かな学びの場になるのではないでしょうか。
人に何かを教えるという行為は、実は自分自身の理解を深める絶好の機会でもあります。
説明しようとすることで、曖昧だった部分が明確になったり、新しい疑問が生まれたりします。
受講者からの質問は、講師にとって新たな学習のきっかけを与えてくれる貴重な贈り物なのです。
だからこそ、講師という立場に甘んじることなく、常に学習者としての謙虚さを保ち続けたいと思います。
受講者の皆様と一緒に成長していく、そんな関係性を大切にしていきたいですね。
教える側と教わる側という固定的な役割分担ではなく、互いに刺激し合える環境を作ることが何より重要だと考えています。
偉ぶったところで、本当の実力は隠せるものではありません。
むしろ、素直に学び続ける姿勢こそが、真の専門性を育てる土壌になるのではないでしょうか。
これからも、多くの人たちにITの楽しさを知ってもらいながら、私自身も日々新しいことを吸収していきたいと考えています。
技術の進歩とともに、人としても成長し続けることができれば、それ以上に幸せなことはないでしょう。
人生が豊かになる方法の一つは、きっとこの謙虚な学びの姿勢にあるのかもしれませんね。
毎日が発見の連続で、新しい出会いから新しい学びが生まれる。
そんな循環を大切にしながら、これからも地域の皆様と一緒に歩んでいきたいと思います。
知識を一方的に伝えるのではなく、共に学び合う仲間として、長く関係を築いていければと願っています。