教える仕事に携わっていると、日々多くの発見があります。
相模原市でプログラミング講師をしながら、同時にGallup認定ストレングスコーチとしても活動している中で、ある言葉にたどり着きました。
「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく」という表現です。
この言葉が、これまでの講師生活を振り返るきっかけになったのでしょう。
実際に講義の現場に立つと、受講者の方々の反応は実に多様です。
プログラミング初心者の方が「難しそう」と身構えている場面もあれば、経験者が「これくらいは知っている」と油断している瞬間もあります。
そんな時、まさにこの言葉の真価が問われるのです。
難解なIT用語を日常的な比喩で説明したり、基礎的な概念を実際のビジネスシーンと結び付けて深掘りしたり、退屈になりがちな技術解説にちょっとした遊び心を加えたりしています。
とはいえ、この理想を実践するのは簡単ではありませんでした。
プログラミング講師として活動を始めた当初は、正直なところ試行錯誤の連続でした。
相模原市という地域で、IT初心者の方々に技術を伝えることの難しさを日々実感していたのです。
「何から始めればいいか分からない」という声をよく耳にしますが、まさにそこが講師としての腕の見せ所でもあります。
そこで気づいたのが、教え方の本質でした。
むずかしいことをやさしくするというのは、単に専門用語を平易な言葉に置き換えることではないのです。
受講者の方の立場に立って、その人がなぜそれを学びたいのか、どんな不安を抱えているのか、何を期待しているのかを理解することから始まります。
プログラミングを学びたい方の中には、転職を考えている方もいれば、現在の業務を効率化したい方もいます。
それぞれの動機に応じて、同じ技術でも伝え方を変える必要があるでしょう。
さらに、やさしいことをふかくするという部分も重要です。
例えば、エクセルの基本操作という「やさしい」スキルでも、それを業務プロセス全体の改善につなげる視点で捉えると、途端に「ふかい」学びになります。
受講者の方々から聞く成功事例では、単純なデータ入力作業の効率化が、最終的には売上管理の見直しにつながったケースもありました。
表面的な操作方法だけでなく、その背景にある業務フローや意思決定プロセスまで踏み込んで考えることで、受講者の方々の理解はより深くなります。
そして、ふかいことをおもしろくするという最後の要素こそが、教える側の真の腕の見せ所かもしれません。
複雑なシステム設計や高度なプログラミング概念を扱う時でも、身近な例えやちょっとした小話を交えることで、受講者の方々の集中力を維持できます。
実際、ITエンジニア時代に挫折してうつ状態になった経験も、今では貴重な教材として活用しています。
技術的な壁にぶつかった時の心境や、それを乗り越えるための具体的な方法論を、失敗談として共有することで、受講者の方々に親近感を持ってもらえるのです。
ところで、この教え方の哲学は、ストレングスコーチとしての活動にも深く関わっています。
人それぞれが持つ強みを見つけて活かすという仕事は、まさに「その人らしさ」を理解することから始まります。
IT技術を学ぶ動機も、実は個人の強みと密接に関連しているケースが多いのです。
論理的思考が得意な方はプログラミングの構造に魅力を感じますし、コミュニケーション能力に長けた方はシステムを使って人と人をつなぐ部分に興味を示します。
実際の講義では、こうした個々の特性を見極めながら、同じ内容でもアプローチを変えています。
例えば、データベース設計を説明する際、細部にこだわるタイプの方には正規化の理論から入り、全体像を把握したいタイプの方にはまず完成形のイメージを示してから詳細に進みます。
受講者の方の反応を見ながら、リアルタイムで説明の仕方を調整していくのは、まさに生の講義ならではの醍醐味でしょう。
もちろん、この理想を常に実現できているわけではありません。
特に大人数での講義では、全員のペースに合わせることの難しさを痛感します。
理解の早い方には物足りなく感じさせてしまうかもしれませんし、ゆっくり学びたい方には置いていかれる感覚を与えてしまうこともあります。
それでも、一人でも多くの方に
「今日の講義は面白かった」
「また明日も学びたい」
と思ってもらえるよう、毎回工夫を重ねています。
講師として活動を続ける中で、受講者の方々から頂く感想が何よりの励みになっています。
「ITは苦手だと思っていたけれど、楽しく学べました」
という声や、
「自分の会社でも活用してみたいです」
という前向きな反応は、この仕事の醍醐味そのものです。
地域の企業や個人の方々と長期的な関係を築いていけることに、大きなやりがいを感じています。
思い返してみると、小学校時代からプログラミングに触れ、ITエンジニアとして働き、挫折を経験し、そして講師という天職に出会うまでの道のりは決して平坦ではありませんでした。
しかし、その全ての経験が今の教え方に活かされているのです。
技術的な知識だけでなく、学ぶ側の心境や不安も理解できるからこそ、受講者の方々に寄り添った指導ができるのかもしれません。
さて、最近では新しい取り組みも始めています。
IT人材育成だけでなく、より幅広い視点からの学習支援を心がけているのです。
なぜなら、本当に必要としているのは、単なるIT技術の習得ではなく、それを使って自分自身の課題を解決することだからです。
データ活用による業務改善や、効率化による時間の有効活用など、具体的な成果につながる支援を提供することで、受講者の方々にとって真に価値のある学びの場を作りたいと考えています。
また、プログラミング教育を通じて感じるのは、技術習得の先にある人とのつながりの大切さです。
同じ目標を持つ仲間と一緒に学ぶ楽しさや、困った時に支え合える関係性の構築も、講義の重要な要素だと思っています。
相模原市という地域に根ざした活動だからこそ、受講者同士のネットワークづくりにも力を入れているのです。
時には、受講者の方から
「先生のおかげで新しい仕事に就けました」
「転職活動で自信を持てるようになりました」
という報告を受けることがあります。
そんな瞬間こそが、この仕事を続ける原動力になっているのです。
技術を教えるだけでなく、その人の人生に少しでも良い影響を与えられているとしたら、これほど嬉しいことはありません。
これからも、
「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく」
という言葉を胸に、多くの方々にIT技術の楽しさを伝えていきたいと思います。
相模原市という地域で、一人でも多くの方と一緒に学びながら、人生が豊かになる場を提供し続けることが目標です。
仕事を楽しめる人たちを増やし、地域全体の技術力向上に貢献していきたいと考えています。