新しいことを始める時、多くの人が期待するのは即座の結果です。
でも実際には、すぐには思うような成果が現れないことがほとんどです。
これは決して珍しいことではなく、むしろ当然のことなのです。
長年にわたってプログラミングを教える立場にいる中で、数多くの受講者と向き合ってきました。
その経験から言えるのは、新しいスキルを身につける過程で、最初の数週間や数ヶ月は、まるで進歩が見えないように感じる時期があるということです。
プログラミングコードを書いても思うように動かない、エラーメッセージばかりが表示される、他の人と比べて自分の成長が遅いように感じる。
そんな状況に直面すると、多くの人が「自分には向いていないのかもしれない」と考えてしまいます。
しかし、これは成長の過程において必ず通る道なのです。
新しいことを学ぶということは、今まで使っていなかった脳の回路を新しく作り上げることと同じです。
この回路が完成するまでには、ある程度の時間が必要なのです。
かつて自分自身もエンジニアとして働いていた時期がありました。
その時代を振り返ると、技術の習得には時間がかかることを身をもって体験しました。
最初は簡単なコードを書くのにも何時間もかかり、先輩エンジニアの作業を見ていると、まるで魔法のように見えました。
でも実際には、彼らも同じように時間をかけて学び、練習を重ねてきたのです。
新しいスキルを身につける道のりは、決して平坦ではありません。
山あり谷ありの険しい道のりです。
時には挫折しそうになることもあります。
実際、エンジニアとして働いていた時期には、困難な状況に直面し、一時的にうつ状態になってしまった経験もあります。
その時は、自分の能力に対する自信を完全に失い、この道を続けることができるのかと深く悩みました。
しかし、その経験があったからこそ、今の教育という分野で活動することができています。
挫折を経験したからこそ、受講者の気持ちを深く理解することができ、彼らの悩みや不安に寄り添うことができるのです。
新しいことを始める時に重要なのは、結果を急がないことです。
もちろん、目標を持つことは大切です。
でも、その目標に向かって一歩ずつ進んでいくプロセスを楽しむことが、継続の秘訣なのです。
プログラミングの世界では、「Hello World」という最初のプログラムを書くことから始まります。
これは、コンピューターの画面に「Hello World」という文字を表示するだけの、とても簡単なプログラムです。
でも、この簡単なプログラムを動かすことができた時の感動は、今でも鮮明に覚えています。
その小さな成功体験が、その後の学習へのモチベーションになったのです。
地道にコツコツと続けることの重要性は、プログラミングだけでなく、人生のあらゆる場面で当てはまります。
ストレングスコーチとしての活動を通じて、多くの人の成長を見守ってきましたが、短期間で劇的な変化を遂げる人はほとんどいません。
むしろ、日々の小さな積み重ねが、長期的に大きな変化をもたらすのです。
継続することの難しさは、誰もが経験することです。
新しいことを始めた最初の頃は、やる気に満ちあふれています。
でも、数週間経つと、その熱量が少しずつ下がってきます。
思うような結果が出ないことで、モチベーションを保つのが困難になってきます。
そんな時に大切なのは、自分なりの小さな目標を設定することです。
大きな目標だけを見つめていると、そこまでの道のりが遠すぎて、挫折してしまいがちです。
でも、今日できることから始めて、一歩ずつ進んでいけば、必ず前進できます。
プログラミングを学ぶ受講者には、よく
「今日は新しい関数を一つ覚えよう」
「今日は昨日より少し複雑なプログラムを書いてみよう」
といった小さな目標を設定することをお勧めしています。
そうすることで、毎日少しずつでも成長を実感できるのです。
興味深いことに、継続していると、ある瞬間から物事が急速に動き始めることがあります。
それまでは少しずつしか進歩していないように感じていたのに、突然、理解が深まり、スキルが向上し、結果が出始めるのです。
これは、今まで積み重ねてきた努力が、ある臨界点に達したことを意味しています。
この現象は、プログラミングの習得過程でも頻繁に見られます。
最初の数ヶ月は、基本的な文法を覚えるのに精一杯で、自分で何かを作ることなど考えられません。
でも、基礎が固まってくると、急に応用が利くようになり、自分のアイデアを形にできるようになります。
その瞬間の喜びは、言葉では表現できないほど大きなものです。
継続することで得られるのは、スキルの向上だけではありません。
継続すること自体が、自信につながります。
「自分はやり続けることができる」という自信は、新しい挑戦に取り組む時の大きな力になります。
また、継続する過程で、自分自身について多くのことを学ぶことができます。
どんな時にモチベーションが下がるのか、どんな方法で学ぶのが効果的なのか、どんな環境で集中できるのか。
これらの自己理解は、今後の人生において大変貴重な資産となります。
新しいことを始める時には、完璧を求めすぎないことも重要です。
最初から完璧にできる人はいません。
失敗を恐れず、間違いを恐れず、まずは始めてみることが大切です。
プログラミングでも、最初に書くコードは、決して美しいものではありません。
でも、そのコードを書くことで、次のステップに進むことができるのです。
継続のコツは、自分に合ったペースを見つけることです。
他の人と比較して焦る必要はありません。
自分のペースで、着実に進んでいけば良いのです。
毎日少しずつでも、週に数回でも、継続できる範囲で取り組むことが重要です。
時には、立ち止まって振り返ることも必要です。
今まで積み重ねてきたものを確認し、成長を実感することで、次への意欲が湧いてきます。
プログラミングを学び始めた頃には理解できなかった概念が、今では当たり前のように使えるようになっている。
そんな変化に気づくことで、継続することの価値を実感できます。
新しいことを始める勇気を持つことは、人生を豊かにする重要な要素です。
年齢に関係なく、いつでも新しいことに挑戦することができます。
現在の教育活動を通じて、10代の受講者から60代の受講者まで、幅広い年齢層の方々と接していますが、学ぶ意欲に年齢は関係ないことを実感しています。
挑戦することで、新しい可能性が開かれます。
今まで知らなかった世界を知ることができ、新しい人との出会いもあります。
プログラミングを学ぶことで、論理的思考力が向上し、問題解決能力が身につきます。
これらのスキルは、プログラミング以外の分野でも活用できる、非常に価値の高いものです。
継続することで得られる最大の報酬は、自分自身の成長です。
新しいスキルを身につけることで、今まで見えなかった景色が見えるようになります。
理解できなかったことが理解できるようになり、できなかったことができるようになります。
この変化こそが、人生を豊かにする源泉なのです。
現在、起業家として教育事業を展開している立場から言えることは、新しいことに挑戦し続けることの重要性です。
起業も、新しいことへの挑戦の一つでした。
最初は不安でいっぱいでしたが、一歩ずつ進んでいくことで、今では多くの人にIT技術の楽しさを伝えることができています。
人生は一度きりです。
その貴重な時間を、新しいことに挑戦し、成長し続けることで、より充実したものにすることができます。
今日から始めても、決して遅すぎることはありません。
小さな一歩から始めて、コツコツと続けていくことで、必ず大きな変化を実感できる日が来ます。
その瞬間に向けて、今日も一歩ずつ準備を重ねていくことが大切なのです。
結果を急がず、プロセスを楽しみながら、自分のペースで継続していく。
そんな姿勢こそが、新しい挑戦を成功に導く鍵となるのです。