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疲れた時こそ立ち止まる勇気を、プログラミングで学んだ人生を変える休息の力

プログラミングの世界で長年過ごしていると、時として驚くような発見があります。

夜遅くまでパソコンの前で頭を抱え、エラーメッセージと格闘し続けた日の翌朝、コーヒーを飲みながら同じコードを見直すと、あっけないほど簡単に問題が解決してしまうことがあるのです。

昨夜何時間もかけて悩み抜いた問題が、わずか30分程度で片付いてしまう瞬間は、まるで魔法でも見ているような感覚になります。


この現象は、プログラミングを学ぶ受講者の方々からもよく聞く話です。

「昨日は全然わからなくて諦めかけていたのに、今朝見たらすぐに理解できました」

という声を何度も耳にしてきました。

最初のうちは偶然だと思っていましたが、これが繰り返し起こることから、そこには確実に理由があることがわかってきました。


私たちの脳は、疲労が蓄積すると思考の柔軟性が著しく低下します。

特に集中して同じ問題に取り組み続けていると、視野が狭くなってしまい、本来なら気づけるはずの解決策が見えなくなってしまうのです。

これは「認知の固着」と呼ばれる現象で、一度特定の思考パターンにはまり込んでしまうと、そこから抜け出すのが困難になってしまいます。


徹夜でプログラミングに取り組んでいる時、私たちは無意識のうちに同じアプローチを何度も繰り返してしまいがちです。

エラーが出ると、同じような修正を試し、それでもダメだとまた似たような変更を加える。

この繰り返しの中で、本当に必要な根本的な見直しから遠ざかってしまうのです。

まるで迷路の中で同じ道を何度も歩いているような状態になってしまいます。


しかし、一晩眠って朝を迎えると、脳は完全にリセットされた状態になります。

睡眠中に脳内では記憶の整理が行われ、新しい神経回路が形成されます。

これにより、前日には思いつかなかった新しいアプローチが浮かんでくるようになるのです。

まさに「寝て起きたら答えが見えた」という経験は、科学的にも説明がつく現象なのです。


IT関連の研修や指導を行う中で、多くの受講者が同じような経験をしていることを知りました。

特に初心者の方ほど、一つの問題に執着してしまい、長時間同じエラーと向き合い続ける傾向があります。

そんな時は必ず「一度休憩してみませんか」と声をかけるようにしています。

最初は「でも解決するまで続けたいんです」と言われることも多いのですが、実際に休憩を取った後の変化を体験すると、皆さん驚かれます。


この休息の効果は、プログラミングに限った話ではありません。

どんな分野においても、行き詰まった時に一度立ち止まることの重要性は同じです。

デザインの仕事をしている人なら、アイデアが浮かばない時に散歩に出ると突然インスピレーションが湧いてくる経験があるでしょうし、文章を書く人なら、書き直しを繰り返している時に一度離れると、より良い表現が思い浮かぶことがあるはずです。


現代社会では「頑張り続けることが美徳」という価値観が根強く残っています。

特に日本では「努力は裏切らない」「継続は力なり」といった言葉が重視され、休むことに罪悪感を感じる人も少なくありません。

しかし、プログラミングの世界で学んだのは、時として休むことこそが最も効率的な問題解決方法になるということです。


エンジニアとして働いていた頃、深夜まで残業してバグ修正に取り組むことがよくありました。

しかし、疲労困憊の状態で書いたコードは、翌朝見返すと明らかにおかしな部分が多く、結果的により多くの問題を生み出してしまうことが頻繁にありました。

一方で、適度に休憩を取りながら作業をした時は、最初から品質の高いコードを書くことができ、後々の修正作業も少なくて済むことがわかりました。


この経験は、仕事だけでなく人生全般に大きな気づきをもたらしました。

何事においても、力任せに押し通そうとするよりも、時には一歩下がって全体を見渡すことの方が、結果的に目標に早く到達できることが多いのです。

まるで山登りで、急な坂道を無理に直登するよりも、ジグザグに歩いた方が疲労が少なく安全に頂上に到達できるのと似ています。


プログラミング講師として多くの受講者と接する中で、この「休息の重要性」を伝えることに力を入れています。

特に真面目で努力家の人ほど、休むことに抵抗を感じる傾向があります。

「今日中に絶対に解決したい」

「わからないままでは気持ち悪い」

という気持ちはよく理解できますが、そんな時こそ一度立ち止まることをお勧めしています。


興味深いことに、休息を取ることで得られるのは、単に疲労回復だけではありません。

新しい視点や創造性も同時に得ることができるのです。

シャワーを浴びている時や散歩中に突然アイデアが浮かぶという経験は、多くの人が持っているでしょう。

これは、リラックスした状態で脳のデフォルトモードネットワークが活性化され、無意識下で情報の整理や新しい組み合わせが行われるからです。


また、休息を取ることで得られるもう一つの大きな効果は、感情的な安定です。

長時間同じ問題に取り組み続けていると、だんだんイライラしてきたり、焦りを感じたりするものです。

この感情的な状態は、冷静な判断力を妨げ、さらに問題解決を困難にしてしまいます。

適度な休憩を取ることで、感情的にもリセットされ、冷静に問題と向き合うことができるようになります。


ストレングスコーチとして人々の強みを活かす支援をする中でも、この休息の重要性を実感しています。

自分の強みを活かそうと一生懸命になるあまり、かえって力が入りすぎてしまい、本来の能力を発揮できなくなってしまう人がいます。

そんな時は「一度力を抜いてみませんか」とアドバイスすることがあります。

リラックスした状態の方が、自然に強みが発揮されることが多いからです。


プログラミングの世界には「ラバーダック・デバッグ」という面白い手法があります。

これは、プログラムの問題を解決する時に、実際のゴム製のアヒルに向かってコードの内容を説明するという方法です。

人に説明しようとすることで、自分の思考が整理され、問題の原因に気づきやすくなるのです。

この手法も、ある意味では一度立ち止まって別の角度から問題を見直すということに通じています。


企業研修で受講者の方々と接していると、特に管理職の方々から

「部下が長時間残業しているが成果が上がらない」

という相談をよく受けます。

そんな時は必ず

「適度な休憩を取るように指導してみてください」

とお伝えしています。

多くの場合、働く時間を短くした方が、集中力が高まり、結果的により良い成果を生み出すことができるからです。


このような考え方は、最近では「ワークライフバランス」という概念でも注目されています。

仕事と私生活のバランスを適切に保つことで、両方の質が向上するという考え方です。

プログラミングのエラー解決で学んだ「休息の効果」は、まさにこの概念の具体的な例と言えるでしょう。


しかし、休息を取ることに慣れていない人にとって、「今すぐ休みなさい」と言われても、なかなか実践するのは難しいものです。

そこで、段階的にアプローチすることをお勧めしています。

まずは5分だけでも良いので、パソコンから離れて深呼吸をしてみる。

次に10分程度の散歩を試してみる。

慣れてきたら、問題が解決しない時は一晩寝かせてみる。

このように少しずつ休息の習慣を身につけていくことが大切です。


また、休息の質も重要です。

ただ単にパソコンの画面から目を離すだけでなく、本当にリラックスできる環境を作ることが必要です。

自然の中を歩いたり、好きな音楽を聴いたり、温かい飲み物を飲んだりすることで、より効果的な休息を取ることができます。

人によってリラックス方法は異なるので、自分に合った方法を見つけることが大切です。


プログラミングを通じて学んだこの「休息の力」は、人生のあらゆる場面で応用することができます。

人間関係で悩んでいる時、仕事で行き詰まっている時、将来について考え込んでしまった時。

そんな時こそ、一度立ち止まって深呼吸してみることで、新しい視点や解決策が見えてくることがあります。


最近では、多くの企業でも「働き方改革」の一環として、適度な休憩の重要性が認識されるようになってきました。

Google社のオフィスに昼寝スペースがあることや、一部の企業で導入されている「パワーナップ制度」なども、この考え方に基づいています。

疲れた時に無理をするよりも、短時間でも休息を取った方が、結果的に生産性が向上することが科学的にも証明されているからです。


プログラミングのエラーと30分で向き合うように、人生の問題とも焦らずに付き合っていくことの大切さを、多くの人に伝えていきたいと思っています。

問題は逃げていかないのですから、慌てて解決しようとする必要はありません。

むしろ、余裕を持って取り組んだ方が、より良い解決策を見つけることができるはずです。


休むことは怠けることではありません。

より良い結果を生み出すための、積極的で戦略的な選択なのです。

プログラミングで学んだこの教訓を、ぜひ皆さんの日常生活にも活かしてみてください。

きっと、今まで見えなかった新しい道が見えてくるはずです。


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