プログラミングを教える仕事に興味を持っている人は多いと思います。
でも、多くの人が思い浮かべるのはプログラミングスクールの講師や個人でメンタリングをする仕事ではないでしょうか。
確かにそれらも素晴らしい選択肢ですが、実はもう一つ、あまり知られていない道があります。
それが企業研修の講師という仕事です。
私自身、長い間この仕事の存在を知りませんでした。
小学生の頃からプログラミングに触れ、ITエンジニアとして働いていた時期もありましたが、途中で挫折してうつ状態になってしまったこともあります。
その後、偶然にもIT企業での研修講師という仕事に出会い、これが自分にとっての天職だと気づきました。
今では合同会社フェデュケーションを起業し、多くの人にITの楽しさを伝える活動を続けています。
プログラミングスクールの講師は確かに楽しい仕事です。
受講者一人一人と向き合い、彼らの成長を間近で見守ることができます。
プログラミングの基礎からしっかりと教え、初心者が少しずつコードを書けるようになっていく過程は本当に感動的です。
しかし、現実的な話をすると、時給はそれほど高くありません。
多くのスクールでは、講師の時給は一般的なアルバイトよりは高いものの、専門性を考えると決して満足のいく水準とは言えないのが実情です。
一方で、企業研修の講師という道は全く違った特徴を持っています。
企業が社員のスキルアップのために投資する研修予算は、個人が支払うスクール料金とは桁が違います。
企業にとって社員の技術力向上は直接的に業績に影響するため、質の高い研修に対してはそれ相応の対価を支払う準備があります。
そのため、企業研修講師の単価は、スクール講師と比べて大幅に高くなることが多いのです。
企業研修の魅力は単価の高さだけではありません。
研修の内容も非常に実践的で、現場で即座に活用できる技術やノウハウを教えることができます。
スクールでは基礎的な内容から始めることが多いですが、企業研修では受講者がすでに一定の知識を持っているケースが多く、より高度で専門的な内容を扱うことができます。
これは講師としても非常にやりがいのある経験です。
また、企業研修では受講者のモチベーションが高いことも特徴的です。
会社から派遣されて研修を受けている以上、真剣に学ぼうという意識を持った人が多く、講師としても教えがいがあります。
質問も的確で、ディスカッションも活発になりやすく、充実した時間を過ごすことができます。
企業研修講師になるためには、いくつかのポイントがあります。
まず、技術的なスキルはもちろんですが、それ以上に重要なのは教える力です。
複雑な技術概念を分かりやすく説明し、受講者のレベルに合わせて内容を調整する能力が求められます。
また、企業の文化や業界の特性を理解し、それに合わせた研修内容を提供することも大切です。
さらに、企業研修では時間の制約がある中で効率的に知識を伝える必要があります。
2日間や3日間といった限られた時間で、受講者が実務に活かせる知識を身につけてもらわなければなりません。
そのため、カリキュラム設計や時間配分のスキルも重要になってきます。
企業研修の仕事を得るためには、研修会社に登録したり、直接企業にアプローチしたりする方法があります。
最初は小さな案件から始まることが多いですが、実績を積み重ねていけば、より大きな企業や長期的なプロジェクトに参加する機会も増えてきます。
口コミや紹介で仕事が広がることも多く、一度信頼関係を築けば継続的な仕事につながりやすいのも特徴です。
私自身、企業研修講師として働くようになってから、プログラミングを教えることの新たな魅力を発見しました。
受講者が研修後に実際の業務で学んだ技術を活用し、成果を上げているという報告を受けた時の喜びは格別です。
また、企業の技術力向上に貢献できているという実感も得られます。
もちろん、企業研修講師にも挑戦があります。企業ごとに異なる要求に応える必要があり、常に最新の技術動向をキャッチアップしていかなければなりません。
また、受講者のバックグラウンドも様々で、初心者から上級者まで幅広いレベルの人が混在することもあります。
そのような状況でも全員が満足できる研修を提供するには、高い技術力と教育スキルが必要です。
しかし、これらの挑戦は同時に成長の機会でもあります。
様々な企業や業界の人たちと接することで、自分自身の視野も広がりますし、技術的な知識だけでなく、ビジネス的な感覚も身につきます。
また、企業の課題を技術で解決するという視点を持つことで、より実践的で価値のあるスキルを身につけることができます。
企業研修講師という仕事は、プログラミングを教えたいと思っている人にとって、非常に魅力的な選択肢だと思います。
高い単価で働けるだけでなく、実践的な内容を教えることができ、企業の成長に直接貢献できるやりがいもあります。
まだあまり知られていない道かもしれませんが、これからプログラミング講師を目指す人には、ぜひ検討してもらいたい選択肢の一つです。
私はGallup認定ストレングスコーチとしても活動していますが、人には それぞれ異なる強みがあり、その強みを活かせる場所を見つけることが重要だと考えています。
プログラミングを教えることに情熱を持っている人は多いですが、その情熱を最大限に活かせる環境を見つけることで、より充実したキャリアを築くことができるはずです。
企業研修講師という道は、まさにそのような環境の一つです。
技術的なスキルと教育への情熱を組み合わせて、高い価値を提供できる仕事です。
もしプログラミングを教える仕事に興味があるなら、スクール講師や個人メンターだけでなく、企業研修講師という選択肢も考えてみてください。
きっと新たな可能性が見えてくるはずです。
プログラミングの楽しさを多くの人に伝えたいという思いは、どの形で教える仕事をしても変わりません。
しかし、その思いを実現する方法は一つではありません。
企業研修講師という道も、その思いを実現するための素晴らしい方法の一つだと、私は確信しています。