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心に響く講師の心得 - むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく

講師として歩む道の中で、私の心の羅針盤となっている大切な言葉があります。

「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく」

作家である井上ひさしさんのこの言葉は、教えることの本質を見事に言い表しています。

この素晴らしい心構えを胸に秘め、日々の講義に臨むたびに、その深い意味を噛みしめています。


「むずかしいことをやさしく」という部分は、プログラミング講師としての私の最大の使命かもしれません。

プログラミングという分野は、初めて触れる人にとって異国の言語のように感じられることでしょう。

専門用語が飛び交い、抽象的な概念が次々と登場する世界。

そんな複雑な内容を、誰もが理解できるようにわかりやすく説明することは、決して簡単なことではありません。


私が17年間、ITエンジニアとして働いていた頃、自分の知識や技術を「当たり前」のものとして扱っていました。

同僚との会話も専門用語だらけで、門外漢には理解できないものだったでしょう。

しかし、講師という立場になり、様々な背景を持つ受講者と向き合う中で、「当たり前」を見直す必要性に気づかされました。


例えば「変数」という概念一つとっても、プログラミング経験者にとってはあまりに基本的すぎて説明が難しいものです。

しかし初心者にとっては、その意味や使い方を理解することが大きな壁となります。

そんなとき私は、「変数とは名前付きの箱のようなもの」と例えます。

物を入れたり取り出したりできる箱に名前をつけて、必要なときにその名前で中身を参照する。

このような具体的なイメージを提供することで、抽象的な概念も少しずつ理解していただけるのです。


「やさしいことをふかく」という部分も、教える上でとても重要な視点です。

基本的な概念だからといって、軽く流してしまうことは避けたいものです。

むしろ基礎こそ、しっかりと時間をかけて掘り下げるべきではないでしょうか。

例えば「for文」や「if文」といった制御構文は、どんなプログラミング言語にも存在する基本中の基本です。

しかし、その本質的な意味や様々な応用パターンを深く理解することで、プログラミングの可能性は大きく広がります。


私が講座で心がけているのは、基礎的な概念を教える際にも「なぜそうなるのか」 「どのような場面で活きるのか」という視点を常に提供することです。

単に「こうすれば動きます」で終わらせず、その背景にある論理や哲学にまで踏み込むことで、受講者の理解はより深いものになります。

表面的な知識ではなく、根本的な理解があれば、新しい言語や技術に出会ったときも、自分の力で学び続けることができるのです。


そして「ふかいことをおもしろく」

これこそが、学びを継続させる最大の原動力ではないでしょうか。

どんなに重要な内容でも、退屈に感じられては身につきません。

複雑なアルゴリズムや設計パターンも、日常生活の例えや楽しいストーリーに乗せることで、印象に残りやすくなります。


Gallup認定ストレングスコーチとしての経験も、この「おもしろく」という部分に大いに活かされています。

人それぞれの強みや興味は異なります。

同じ内容でも、受講者一人ひとりの個性に合わせたアプローチを工夫することで、「おもしろい」と感じてもらえる可能性が高まるのです。

ある人には視覚的な例えが効果的かもしれませんし、別の人には物語形式での説明が心に響くかもしれません。

多様な表現方法を持ち合わせておくことで、より多くの人の「おもしろい」に応えられると考えています。


私がかつてうつ状態に陥った経験も、今振り返れば「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく」という言葉の価値を再認識するきっかけとなりました。

当時の私は、専門知識の海に溺れ、その複雑さに圧倒されていたのかもしれません。

そして同時に、基本的なことの大切さを見失い、仕事の楽しさを忘れていました。

挫折を経験し、講師という新たな道に進む中で、この言葉の意味を体感として理解できたのです。


合同会社フェデュケーションを立ち上げた際も、この言葉を企業理念の根幹に据えました。

特にITの分野は日進月歩で、常に新しい知識や技術が生まれています。

そんな中で学び続けるモチベーションを保つためには、「おもしろさ」という要素が欠かせないのです。


小学生から社会人まで、年齢や経験を問わず、プログラミングを教える機会をいただく中で、「むずかしいことをやさしく」の実践は日々の挑戦です。

例えば小学生に「変数」の概念を教える際には、具体的な遊びの中で体験してもらうよう工夫しています。

名前の書かれた箱にものを入れたり出したりする実際の動作を通じて、抽象的な概念を体感的に理解してもらうのです。

一方、社会人の方には、業務上の具体的な課題に結びつけることで、「やさしいことをふかく」理解していただけるよう心がけています。


「ふかいことをおもしろく」という点では、実際のプロジェクト体験が非常に効果的です。

受講者自身が興味を持つテーマでアプリケーションを作る過程で、自然とプログラミングの深い知識や考え方が身についていきます。

作りたいものを実現するという目標があれば、難解な概念も乗り越える原動力になるのです。

私自身、小学生の頃にゲームを作りたいという一心でプログラミングを始め、その「おもしろさ」に引き込まれていった経験があります。

その原点の気持ちを忘れず、受講者一人ひとりの「おもしろい」を大切にしたいと思っています。


いつでも笑顔を忘れないということも、「ふかいことをおもしろく」につながる大切な要素です。

緊張しがちな学びの場で、講師である私自身が楽しんでいなければ、受講者も楽しめるはずがありません。

テクニカルな内容を扱いながらも、時にはユーモアを交え、和やかな雰囲気を作ることを心がけています。

プログラミングのエラーが出たときも、「おっ、面白いエラーが出ましたね!これから解決する過程が学びになりますよ」と前向きに捉えることで、失敗を恐れない文化を育みたいのです。


人生が豊かになる方法を考えるとき、この「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく」という言葉は、教育の場を超えて普遍的な価値を持つように思います。

複雑な人間関係も、相手の立場に立って「やさしく」理解しようとする姿勢があれば、円滑になるでしょう。

日常の「やさしい」出来事も、その意味を「ふかく」考えることで、新たな気づきが生まれるかもしれません。

そして人生の「ふかい」テーマも、「おもしろく」向き合うことで、重荷ではなく成長の糧となるのではないでしょうか。


講師としての経験から学んだことの一つは、「教えることは学ぶこと」という真理です。

受講者に「むずかしいことをやさしく」伝えようとする過程で、自分自身の理解も整理され、深まっていきます。

また、「やさしいことをふかく」掘り下げる中で、当たり前と思っていたことの奥深さに気づかされることも少なくありません。

そして「ふかいことをおもしろく」伝えるための工夫は、私自身の創造性を刺激し、成長させてくれます。

教えることで学び、学ぶことで教える。この循環が、天職としての喜びをもたらしてくれるのです。


井上ひさしさんのこの言葉は、短いながらも奥深い智慧が込められています。

「むずかしいことをやさしく」するためには、その内容を自分自身が完全に理解していなければなりません。

自分の言葉で噛み砕いて説明できるレベルまで消化する必要があるのです。

「やさしいことをふかく」するためには、基礎への敬意と探究心が欠かせません。

当たり前を疑い、立ち止まって考える姿勢が重要です。

そして「ふかいことをおもしろく」するためには、自分自身がその内容に心から興味を持ち、楽しんでいることが前提となります。

形だけの「おもしろさ」は、すぐに見抜かれてしまうでしょう。


プログラミング講師として多くの受講者と接する中で、この言葉の実践が最も難しいのは、受講者それぞれの「わかりやすさ」が異なるという点です。

同じ説明でも、ある人には「やさしく」感じられても、別の人には依然として「むずかしい」かもしれません。

また、ある人にとっての「おもしろさ」が、他の人には響かないこともあります。

だからこそ、一人ひとりの反応を丁寧に観察し、多様なアプローチを用意しておくことが大切なのです。


Gallup認定ストレングスコーチとしての視点からは、この「個別化」こそが学びの鍵だと考えています。

人それぞれの強みを活かした学習法があり、それに合わせた「やさしさ」「ふかさ」「おもしろさ」があるのです。

例えば「学習欲」が強みの人には、より深い背景知識や発展的な内容を提供することで「おもしろく」感じてもらえるでしょう。

「収集心」が強みの人には、様々な事例や参考資料を紹介することが効果的かもしれません。

一人ひとりの個性に合わせたアプローチを工夫することで、より多くの人がプログラミングの楽しさを発見できると信じています。


仕事を楽しめる人たちを増やすという目標も、この言葉と深く結びついています。

どんな仕事も、その本質に「むずかしさ」「やさしさ」「ふかさ」「おもしろさ」を見出せれば、単なる作業ではなく、成長と喜びの源泉となるでしょう。

私自身、ITエンジニアからプログラミング講師への転身を経て、天職に出会えたのも、この視点があったからこそかもしれません。

以前の仕事では見失っていた「おもしろさ」を、教えるという行為の中に再発見できたのです。


「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく」

この言葉は、一見すると矛盾を含んでいるようにも感じられます。

「むずかしい」ものを「やさしく」するなら、その「ふかさ」は失われてしまうのではないか。

「やさしい」ものを「ふかく」すれば、再び「むずかしく」なってしまうのではないか。

しかしこの見かけの矛盾こそが、教えることの妙であり、挑戦なのだと思います。

表面的な「やさしさ」ではなく、本質を失わない「やさしさ」

形式的な「ふかさ」ではなく、理解を促す「ふかさ」

強制的な「おもしろさ」ではなく、内発的な「おもしろさ」

これらのバランスを追求し続けることが、最高の講義への道なのでしょう。


私がプログラミング講師として活動する中で、最も嬉しい瞬間の一つは、受講者の目が輝く瞬間です。

「なるほど!」

「そういうことだったのか!」

という理解の光が灯る瞬間。

抽象的で「むずかしい」概念が、具体例を通じて「やさしく」なり、その「やさしさ」の中に「ふかい」意味を見出し、そして「おもしろさ」に気づく。

その過程に立ち会えることこそ、講師としての醍醐味だと感じています。


天職を見つけてえびす顔になれたのも、この言葉の実践を通じて、教えることの本質的な喜びに触れられたからかもしれません。

「むずかしいことをやさしく」伝えるための工夫、「やさしいことをふかく」掘り下げる探究心、「ふかいことをおもしろく」伝える創意工夫。

これらの挑戦は尽きることがなく、だからこそ飽きることなく続けられる道なのでしょう。


多くの人たちにITの楽しさを知ってもらうという目標も、この言葉なしには達成できないと考えています。

テクノロジーの世界は確かに「むずかしい」面がありますが、それを「やさしく」伝えることで、より多くの人がその扉を開けるきっかけになるはずです。

そして表面的な知識だけでなく「ふかい」理解があれば、技術の本質的な「おもしろさ」にも気づいていただけるでしょう。


この素晴らしい心構えを胸に、これからも最高の講義を目指していきたいと思います。

「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく」

シンプルながらも深い意味を持つこの言葉は、講師としての私の道を照らす灯火であり続けるでしょう。

そして、この言葉の実践を通じて、一人でも多くの方がプログラミングの、そしてIT技術の楽しさに触れ、新たな可能性を見出していただけたら、これほど嬉しいことはありません。


日々の講義の中で、この言葉を意識するたびに、その奥深さに改めて感銘を受けます。

簡単なようで実は非常に難しいこの心構えは、完璧に実践できる日が来るのだろうかと考えることもあります。

しかし、完璧を目指す旅の過程こそが、講師としての成長をもたらしてくれるのだと信じています。

これからも「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく」という言葉と共に、受講者一人ひとりの可能性を広げるお手伝いができるよう、日々精進していきたいと思います。


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