やる気スイッチを入れても、環境が整っていなければ機能しません。
スイッチはきっかけに過ぎないのです。
本当に大切なのは、やる気が湧き出るような環境づくりを先に整えることなのです。
この言葉に深く考えさせられました。
よく「やる気スイッチを入れよう」という言葉を聞きますが、実はそれだけでは不十分なのかもしれません。
プログラミング講師として多くの受講者と接してきた経験から、やる気は単純に「スイッチ」で操作できるものではないことを実感しています。
私たちは「やる気になれない自分」を責めがちです。
「もっと頑張らなければ」と自分を追い込み、無理やりスイッチを入れようとします。
しかし、それは持続可能なアプローチではありません。
一時的に燃え上がっても、すぐに消えてしまう炎のようなものです。
ITエンジニアとして17年間働いていた時、私はそのプレッシャーの中で挫折し、うつ状態に陥りました。
必死にやる気スイッチを探していましたが、見つかりませんでした。
なぜなら、私の環境自体が自分の強みや価値観と合っていなかったからです。
Gallup認定ストレングスコーチとしての視点から見ると、人は自分の強みを活かせる環境に身を置くことで、自然とやる気が湧いてくるものです。
私がIT企業研修講師という天職に出会ったとき、無理にスイッチを入れなくても、自然と仕事に情熱を持てるようになりました。
それは環境が変わったからこそ、実現したことでした。
では、やる気が湧き出る環境とは具体的にどのようなものでしょうか。
まず、自分の強みを活かせる場所であることが重要です。
自分が得意なことを活かせる環境では、努力も苦に感じません。
プログラミングを教えるとき、私は自分の知識を共有する喜びを感じ、受講者の成長を見ることでさらにやる気が高まります。
自分の強みを知り、それを活かせる場所を見つけることが、持続的なやる気の源泉となります。
次に、適切な難易度の課題があることです。
あまりに簡単すぎる課題ではやる気は出ませんし、難しすぎても挫折してしまいます。
プログラミング学習では、受講者一人ひとりのレベルに合わせた課題設定が大切です。
少し背伸びをすれば到達できる目標があることで、人は自然と前に進もうとします。
さらに、成長を実感できる仕組みがあることも重要です。
小さな成功体験の積み重ねが大きなやる気につながります。
プログラミングのような技術習得では、できなかったことができるようになる瞬間が何度も訪れます。
そういった成功体験を可視化し、振り返ることができる環境があれば、自然とやる気は持続します。
そして忘れてはならないのが、周りの人々の存在です。
同じ目標に向かって頑張る仲間や、応援してくれる人がいることは大きな力になります。
私の講座では、受講者同士が励まし合い、助け合う関係性を大切にしています。
一人で頑張るよりも、共に成長できる仲間がいることで、挫折しそうになっても踏みとどまれることが多いのです。
最後に、自分の価値観や人生の目的と合致した活動であることも大切です。
なぜそれをするのか、どんな意味があるのかを明確に理解していると、困難があってもやり続ける力が湧いてきます。
私にとってそれは「多くの人たちにITの楽しさを知ってもらう」ことであり、「仕事を楽しめる人たちを増やす」ことです。
この目的があるからこそ、日々の活動にやりがいを感じられるのです。
このように考えると、やる気は「スイッチを入れる」ものではなく、「環境から生まれる」ものだと言えるでしょう。
無理にスイッチを探すのではなく、自分に合った環境を作ることに力を注ぐべきなのです。
私自身、ITエンジニアからプログラミング講師への転身を経て、合同会社フェデュケーションを起業するまでの道のりは、まさに環境を変えていく過程でした。
そして今、天職を見つけた喜びを日々感じています。
毎日笑顔で過ごせるのも、自分に合った環境を見つけたからこそです。
皆さんも、無理にやる気スイッチを押そうとするのではなく、自分が自然とやる気になれる環境はどのようなものかを考えてみてください。
それは自分の強みを活かせる場所であり、適切な難易度の課題があり、成長を実感できる仕組みがあり、共に前進する仲間がいて、自分の価値観と合致した活動ができる場所なのかもしれません。
環境を整えることで、やる気は自然と湧いてくるものです。
それが本当の意味での「やる気スイッチ」の入れ方なのではないでしょうか。
人生が豊かになるのは、無理に自分を変えることではなく、自分に合った環境を見つけ、創り出すことなのだと思います。
そして、その過程で自分自身を知ることの大切さも忘れないでください。
どんな環境があなたにとって最適なのかは、あなたの強み、価値観、情熱によって異なります。
自分を知り、自分に合った環境を選び取る力こそ、人生を豊かに生きるための最も重要なスキルかもしれません。