プログラミング講師として17年間のITエンジニア経験を活かしながら、多くの受講者と関わってきた中で気づいた素敵な発見があります。
それは、私たちの話し方を少し工夫するだけで、人との距離がぐっと縮まるという不思議な現象です。
特に、動詞で表現するよりも名詞で語る方が、相手との心理的な距離が近づくという面白い効果があるのです。
たとえば、「プログラミングが好きです」と言うのと、「プログラミング大好き人間です」と言うのでは、同じ内容を伝えているようで、相手に与える印象がまったく異なります。
後者の方が、より親しみやすく、その人の個性や人となりが伝わってくるように感じませんか?
この発見は、私が合同会社フェデュケーションで研修講師として活動する中で、実践的に確かめてきたものです。
「プログラミングを教えています」と言うより、「プログラミング講師です」と言う方が、相手との間に確かな繋がりが生まれやすいのです。
それは単なる肩書きの違いではなく、その人のアイデンティティとして受け止められるからでしょう。
小学生の頃からプログラミングに親しんできた私自身、かつては「プログラミングが得意です」と言うことが多かったのですが、今では「プログラミング愛好家です」と自己紹介することが増えました。
すると不思議なことに、相手からより多くの共感や興味を引き出せるようになったのです。
この効果は、単なる偶然ではありません。Gallup認定ストレングスコーチとしての経験からも、人々は「〇〇です」という形で表現される個性や特徴に、より強く共感を覚えることが分かっています。
それは、その人の本質的な部分に触れているような感覚を与えるからなのでしょう。
かつて私は、うつ状態に陥るほどの挫折を経験しました。
その時、自分のことを「失敗した人間」と名詞で表現していた時期がありました。
しかし、「今は苦戦している」と動詞で捉え直すことで、その状況が一時的なものだと認識できるようになりました。
言葉の使い方一つで、物事の捉え方や心持ちが大きく変わることを、身をもって経験したのです。
IT技術の楽しさを多くの人に知ってもらいたいという思いから、日々の研修では意識的にこの話し方の工夫を取り入れています。
「プログラミングを勉強しています」という受講者には、「プログラミング学習者ですね」と言い換えて返すことで、より前向きな自己認識を促すようにしています。
この小さな言葉の変化は、実は大きな可能性を秘めています。
「失敗を恐れています」と言うよりも、「チャレンジャーです」と表現する方が、自分の行動により前向きな意味づけができます。
それは自己肯定感を高め、新たな挑戦への原動力となるのです。
仕事を楽しめる人を増やしたいという目標に向かって、このコミュニケーションの技術は大きな助けとなっています。
「頑張っています」という表現よりも、「努力家です」という言い方の方が、その人の持つ素晴らしい特質として伝わりやすいのです。
人生が豊かになる方法の一つとして、この言葉の使い方の工夫を皆さんにもぜひ試していただきたいと思います。
日常の何気ない会話の中で、動詞を名詞に置き換えてみてください。
「早起きを心がけています」ではなく「早起き派です」、「節約に取り組んでいます」ではなく「節約上手です」というように。
この小さな変化が、思いがけない効果をもたらすかもしれません。
相手との会話がより温かみのあるものになり、互いの理解が深まっていくことを、きっと実感できるはずです。
それは、より豊かな人間関係を築くための、素敵な第一歩となるでしょう。
プログラミング講師としての経験から言えることですが、技術的なスキルと同じくらい、こうしたコミュニケーションの工夫も大切です。
なぜなら、それは単なる情報伝達を超えて、人と人との心の繋がりを生み出す力を持っているからです。
これからも、このような言葉の魔法を大切にしながら、多くの人々とより深い繋がりを築いていきたいと思います。
そして、その素晴らしさを、より多くの方々と共有できることを願っています。