前回はターミナル(コマンドプロンプト)を使ってJavaプログラムを実行する方法を解説しました。
今回はEclipseを使ってJavaプログラムを動かして見ましょう。
「Eclipseって何?」という人は、下記の記事も見てくださいね。
プロジェクトの作成
【STEP1】
まずはEclipseを起動します。
[ファイル]メニューから[新規]を選択し、[Javaプロジェクト]をクリックします。
ポイント:プロジェクト
プロジェクトとはEclipse上の作業単位で、1つのアプリケーションに使用されるアプリケーションの開発に必要なファイル一式を管理する単位です。
プログラムの他に、画像ファイルや音声ファイルなどの素材も一緒に格納します。
【STEP2】
[プロジェクトの作成]では、[プロジェクト名]に「ch1」と入力します。
※今回は「ch1」としましたが、ご自身で分かりやすい名前を付けてもらってOKです。
また、[デフォルト・ロケーションを使用]にチェックを入れます。
[JRE]では、[実行環境JREの使用]を選択し、右側のドロップダウンリストから「javaSE-17」を選択します。
[プロジェクト・レイアウト]では、「ソースおよびクラス・ファイルのフォルダを個別に作成」にチェックを入れます。
[完了]ボタンをクリックします。
【STEP3】
下記の画面が出たら「はい」をクリックします。
「はい」を選択すると、「Javaパースペクティブ」が表示されます。
(出ない場合は「STEP4」へ)
ポイント:Eclipseの用語
ビュー : ワークベンチのサブウィンドウ
エディタ : ワークベンチのサブウィンドウで主にファイル編集用に利用され、初期配置でワークベンチの中央に位置します
ツールバー : アイコンボタンのバー。よく利用する操作がアイコンで配置されます
メニューバー : 文字ニューのバー
パースペクティブ : 上記部品の組み合わせとレイアウトのことで、「行いたい作業によって切り替えて利用するワークベンチのレイアウト」を指します。パースペクティブを切り替えることで、目的の作業に必要なビューやメニュー、ツールバーを揃えることが可能です。
[ウィンドウ]メニューの[パースペクティブを開く]から[その他]をクリックして、必要なパースペクティブを開くことができます。パースペクティブを閉じるには、[パースペクティブを切り替える]ボタンを右クリックして、[閉じる]を選択します。
【STEP4】
[パッケージ・エクスプローラ]に指定した「ch1」プロジェクトが作成されていることを確認します。
[動画解説]
vimeo.com
クラスの作成
プロジェクトができたら、プロジェクト内にクラスを作成します。
【STEP1】
[パッケージ・エクスプローラ]に表示された「ch1」プロジェクトの左側の三角をクリックします。
プロジェクト内に自動的に作成されたフォルダが表示されます。
[src]フォルダを右クリックし、[新規][クラス]を選択します。
【STEP2】
[ソース・フォルダー]に「ch1/src」が表示されていることを確認します。
[パッケージ]に「com.mirai」と指定をします。
※今回は「com.mirai」としましたが、ご自身で分かりやすい名前を付けてもらってOKです。
[名前]に「MyName」と指定をします。[修飾子]では、「public」にチェックを入れます。
[どのメソッド・スタブを作成しますか?]では、「public static void main」にチェックを入れ、[完了]をクリックします。
ポイント!
srcフォルダは、Javaのコードを格納しておくフォルダです。
パッケージは、クラスなどを入れる入れ物で、同じ役割を持つ複数のクラスをまとめます。
パッケージ名は世界で唯一の名前にするために、ドメインを逆さにした名前を付けることが慣例になっています。
名前は任意のクラスを指定します。英数字半角などの命名規則があります。
「public static void main(String[ ] args)」は、エントリポイントと言い、そこからプログラムの動作が始まります。
【STEP3】
[src]フォルダ内に[com.mirai]パッケージが作成され、さらに[MyName.java]クラスが作成されていることを確認します。
エディタ領域には、[MyName.java]のソースコードが自動生成され、表示されます。
1行目にパッケージ名、3行目にクラス名、5行目に「public static void main(String[] args)」というエントリポイントが記述されていることを確認します。
[動画解説]
vimeo.com
Javaコードの編集と実行
自分の名前を文字列として表示するプログラムを作成してみましょう。
【STEP1】
6行目の「//~」(コメント)を削除し、下記赤枠のように入力しましょう。
*****で書かれた部分は自分の名前に置き換えて入力します。
[ファイル]メニューから[保存(S)]をクリックし、上書き保存をします。
ポイント!
Javaソースファイルを編集すると、エディタのタブ内、ファイル名の前に「*」が表示されます。
[ファイル]メニューから[保存]を選択するか、ctrl + sキーを押して、上書き保存をし、変更を反映させておく必要があります。
変更が反映されると「*」は表示されなくなります。
【STEP2】
パッケージ・エクスプローラの[MyName.java]を選択した状態で、[実行]メニューから[Javaアプリケーション]をクリックします。
画面下部の[コンソール]に下記のように表示されたことを確認します。
エスケープシーケンス文字
上記の「****」に文字を書けばその通りに表示される事は分かりました。
しかし文字で表現できない書式や記号が存在します。タブや改行などです。
そのときには「エスケープシーケンス文字」を使用します。
エスケープシーケンス文字は¥(エン記号)がついた特殊な文字です。エスケープシーケンス文字は以下の種類があります。
エスケープ文字 | 意味 |
---|---|
¥b | バックスペース |
¥n | 改行 |
¥t | 水平タブ |
¥" | " (ダブルクォート)文字 |
¥' | ' (シングルクォート)文字 |
¥0 | null文字 |
¥¥ | ¥記号 |
¥f | ページ送り |
¥r | 同じ行の先頭に戻る |
¥u**** | Unicode文字 ****には16進数表記で4桁記述 |
用語:Unicode
コンピュータは文字を文字として管理していません。
「A」を「A」というデータとして持っているのではないのです。
コンピュータは文字を数字(「A」は65番)として管理しています。
このようにコンピュータは文字を数値に置き換えて文字情報を管理しています。
この文字と数字の対応形式を「文字コード」といいます。
この文字コードは世界のコンピュータで1つだけに限ったことではなく、様々な母国語ごとに文字コードが用意されています。
日本語を表現する文字コードでもShift-JISやEUCと複数存在しています。
これでは管理が煩雑です。
そこで世界で統一した文字コードが作成され、それがUnicodeです。
Unicodeは1文字を2バイトで表現します。
[動画解説]
vimeo.com
エスケープシーケンスを使ったプログラム
様々なエスケープシーケンス文字を使ってみましょう。
【STEP1】
Eclipseを起動し、プロジェクト[ch1]内に「EscapeSequence」クラスを作成し、以下のソースコードを入力します。
package com.mirai; public class EscapeSequence{ public static void main(String[ ] args){ System.out.println("1 : Hello¥tWorld"); System.out.println("2 : Hello¥nWorld"); System.out.println("3 : ¥u0048¥u0065¥u006C¥u006C¥u006F"); } }
【STEP2】
生成されたクラスファイルを実行します。
1 : Hello World 2 : Hello World 3 : Hello
プログラム解説
4行目は、¥tですのでタブが挿入されています。
5行目は、¥nですので改行が挿入されています。
6行目は、¥u0048はH、¥u0065はe、¥u006Cはl、¥u006Fはoを表し、それぞれが続けて表示され”Hello”と出力されます。
[動画解説]
vimeo.com
まとめ
今回はEclipseを使用したJavaプログラムの実行方法を解説しました。
前回のターミナル(コマンドプロンプト)を使った方法より、扱いやすいかと思います。
扱いやすくなった分、コンパイル作業やコンパイル後にクラスファイルが作成されること、作成されたクラスファイルを実行すること等を意識することが無くなってしまいます。
業務ではEclipseを使用する事がほとんどですが、ターミナル(コマンドプロンプト)を使用した実行方法も覚えておきましょう。
独学で挫折しそうになったら、オンラインプログラミングスクール